日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

寺田証言を読みましたか(6)

最近読んだものの中で大変重要だと思ったのが、福島第一原発の事故当時、総理補佐官だった寺田氏が書いた事故対応に関する証言。私の得た感想と得られたヒントの第5回です。証言そのものを併せてお読みになるにはハフポストの下記サイトでお読みください。
ハフィントンポスト

以下は第6章に関して私の感想と得られたヒントなど

爆発の際に吉田所長が「現場から退避させます!許可お願いします!」と言っているが、そのような判断、決定権は現場の所長に与えられるべきではないか。各社の規則はどのようになっているのか。そこまで踏み込んだ訓練はされていないだろうが、十分な検討と認識の共有化をしておく必要がある。

勝俣会長の「子会社にやらせる」発言は意味深長。社員では技術的に出来ないということか、社員には危険なことはさせられないということか。子会社の人をそこまで親会社の言うことに従わせることが出来ますということか。もともと現場は子会社やメーカー系列の工事会社に実作業を依存していた。寺田氏がのけぞったのは、「東電の子会社に対する威圧がそれほどのものか」あるいは「子会社といえども他の会社の人間を生命のリスクに遭わせることを躊躇なく決断する冷酷さ」に驚いたからだろう。子会社は親会社である東電の盾になることを普段からよく浸透させてきた。子会社に対して文字通り生殺与奪の権を持っているという意識が東電側にも子会社側にもあったということではないか。他の電力会社も同じように考えているのか。
➂ 
総理「・・・・・注水の人間は残してくれ。。。注水の作業員を除いての退避は認める。」これが真実だとすると、総理の要求は妥当だが、その結果犠牲者が出たときのことは国が責任を持つということになる。総理自身は討ち死にする覚悟があったようだが、究極の選択には本人や家族の了解が取られている必要があるのではないか。

細野補佐官からメールで「渋谷の線量、通常の100倍」。定期的に配られるようになった原発周辺の線量数値も、見た事もないような数字。とあるが、情報はSNSを通じて多くの人に拡散する。また、このような情報リークは現場の作業者から家族友人にもあった。このような形の情報が広がることは防げないことを認識すべき。今回、アメリカ人の80キロ圏退避以外はそれほどの混乱にならなかったのは、放射線量についての危険度の判断が出来る人がほとんどいなかったからではないか。政府の発表ばかりでなく、テレビなどで専門家がどのようなコメントを出すかなども十分に注意しないと混乱に陥る可能性が高い。

首都圏に近い原発の事故は、国の行政中枢に大きな影響を及ぼす恐れがある。このため東海第二原発や浜岡原発(西風の場合)の事故を想定した場合には、なんらかの特別な対策(関東以外に臨時の官邸、省庁など)を講じておく必要がある。

外国人の問題は整理して、言葉が通じない部分も含め、情報をどのように流すか、各国大使館などとも協議して対応を準備しておく必要がある。

流れを見ていると、各号機が同時並行的に事故を起こしたが、最大の危機は同時には起きていない。これは幸運だっただけで、複数同時もあり得る。爆発などにより多くの作業者を失うようなこともなかったがこれも幸運だったとしか言いようがない。最悪の場合、人命救助などにもっと手がかかることもある。

原子炉上空からの状況把握を、今後はヘリに代わるドローンなども備えて我が国独自に偵察行動が出来るようにするべき。

今後も自衛隊出動はあるのか。総理や大臣の指示ではなく、統合幕僚長による行動というやり方も不自然。自衛隊に何を期待するのかもあらかじめ決めて、任務に応じた教育訓練をしておく必要がある。

これらについて事故後いままでに改善された事実をご存知であれば、お教えいただきたい。

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter