日本エネルギー会議

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ショックな話

経済産業省が全国の原発の廃炉費用を将来にわたってどう賄うか、専門の委員会を設けて制度の検討を進めている。今月以降に開く会合では、東京電力福島第一原発の廃炉費用について議論するが、福島第一原発の廃炉費用は、現在の年間800億円程度が今後、年間数千億円規模に膨らむ可能性があることから、国の関与を強める仕組みを検討する。

このニュースを聞いて耳を疑った。普通の原発の廃炉はともかく、事故炉の廃炉はとんでもない額になる。毎年、福島では新しい原発1基を建設するくらいの金がかかり、これが数十年続くというのだからショックな話だ。

一旦過酷事故を起こせばその廃炉費用で、その国の原発の経済性はなくなることを意味する。そのような巨費がかかるのであれば、それで新エネルギーを開発したほうがましだ。福島第一原発の廃炉費用が電気代につけ回され、税金が投入され続けるのは忍びがたい。先日のようなケーブル火災で大停電が起きないようにすべての送電線を最新式のものにする方が先だ。とりあえず福島第一原発の廃炉はストップして厳重に密閉し、汚染水対策と津波対策をして放射線量が下がるまで待つ方法を選択すべきではないか。もちろん地元住民には説明が必要だ。

そもそも燃料デブリを取り出したとしても、どこに保管するのか。取り出すことが最終目的ではなかろう。日本で廃炉の先頭を走っている東海原発でも、炉心周辺の高線量の放射性廃棄物の行き先は決まっていないため、その部分の解体を進める工程に入れるかわからない。であれば、福島第一原発はアメリカで例があるように、溶けていない燃料だけを取り出して原子炉建屋を封鎖した状態で置いておいても同じだ。

イギリスのトロースフィニッド発電所(出力23.5万キロワット、炭酸ガス冷却炉、2基)は廃炉が一番進んでいると言われているが、今後廃炉作業を一旦停止し、数十年おいて放射線量が下がってから作業を再開するという情報がある。(毎日新聞8月19日付のイギリスの原発廃炉の特集記事)

日本では原発廃止後の高レベル放射性廃棄物の恒久処理・隔離・管理に関しては未定としており、費用が算出されていない。人が管理する数百年間に限っても莫大な費用が追加となる可能性が高い。家電でも車でも廃棄の費用がいくらになるかわからない、あるいは買うものの値段より廃棄費用が高ければ誰もが購入を躊躇するだろう。廃炉費用と誰が負担するのかを正直に言わなければ、温暖化対策やエネルギーの安全保障のために原発がどうしても必要だと主張しても、国民の理解は得られないだろう。

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