日本エネルギー会議

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なによりの証拠

先週の朝日新聞によれば、福島第一原発の外部電源引き入れのための鉄塔の「引留め鉄構」と呼ばれる部材が30年以上も未点検であったことが発覚したとして、原子力規制委員会から保安規定違反にあたると指摘された。福島第一原発の事故の際、発電所の近くの送電鉄塔が地震で倒れ、これにより外部電源を失った経緯があるが、東京電力は今回の件も東日本大震災の揺れが破談の原因の可能性があるとしている。送電線の鉄構未点検は第一原発のほかにも第二原発でも見つかっているという。他の原発ではどうなのだろう。

原発が停止した際には、外部内部の電源が原子炉内の崩壊熱除去のために必要であり、過酷事故防止のための命綱ともいえるが、その一部に未点検があり、それが30年間も放置されていたことは、東京電力が過酷事故について「起こりえない」と高をくくっていたなによりの証拠だ。この送電線は延々と他の電源までつながっており、この送電線のすべての鉄構を確認しないと安心出来ないので、メンテナンスは容易ではないはずだ。

記事によれば、原子力規制委員会は別に送電線があるなど原発の安全に影響はなかったとして違反の中で最も軽い「監視」としたとあるが、これも問題だ。送電系統が多重化されていることは安全上の必要があってのことだが、多重化されていることでひとつひとつの点検が疎かになってはならない。「アリの穴から堤も崩れる」。規制委員会の判断は甘い。過酷事故対策に関連する部分については特別に厳しい目を持つべきだ。規制委員会はすべてのことを執拗に追求するのではなくメリハリのある規制をしなければ、電力会社の当事者が疲弊するだけで実質的な安全性は向上しない。

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