日本エネルギー会議

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交通事故死のニュース

 テレビの大相撲中継の後のニュースを見ていたら、午前中にいわき市四倉の国道6号線における軽自動車同士の正面衝突事故の画面になった。また高齢者の事故かと思ったら、なんと死傷者の名前に見覚えがある。大熊町で農業を営み、福島第一原発の事故で会津若松市内に4年ほど避難し、昨年、広野町に中古住宅を買って住んでいる夫婦だ。親しい間柄ではないが、何回か会ったことはある人だ。
 事故は上下二車線の国道で、夫婦の乗った軽自動車が広野町からいわき市方面に走行中に中央線を超え、前からきた74歳の男性の運転する軽自動車に正面衝突した。夫婦は60代半ば、助手席の夫人は即死、重症となっていた夫も夕方のニュースでは病院で死亡したと伝えていた。相手の男性も肋骨を折る重症だ。
 大熊町の大半は帰還困難区域で、おそらくまだ10年は戻れないはず。厳しい寒さの会津から暖かい広野町を選んで移住を決めたのだろう。働き盛りの子供や孫達とも再び浜通りで一緒に暮らそうとしていた矢先のことだ。朝から四倉町のホームセンターに行き、そのままいわき市中心街に向かっていたようだが、現在の広野町は二年前に区域指定が解除されたとはいえ住民は半数近くが戻らず、商店もごくわずかしかない。ちょっとしたことでもいわき市に行かねばならない。
 6号国道は廃炉や除染の影響なのか車が多くなっている。どのようなことで事故が起きたかは現在、警察で調査しているが相当な速度で衝突したようだ。高齢と言うにはまだ早い年齢の夫婦の突然の死は、地域で代々農業をして来たこともあり、周囲の人は皆驚きを隠せない。避難をした人たちは毎年、戻れないままに病気で亡くなっていくが事故死はやはりショックだ。
 人はいつどんな事で死ぬかはわからないものだが、移住して間もない同世代の夫婦の事故死の報に接すると、「東日本大震災や福島第一原発の事故がなければ、大熊町の郊外で先祖代々の土地で農業をしていただろうに。せっかく会津から浜通りに戻って終の棲家を求めたのに」とやるせない思いが募ってくる。

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