日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

損害賠償の決まり

 福島第一原発の事故に伴う賠償のうち、精神的苦痛に対する賠償は、将来分までまとめて支払われている。大熊町など帰還困難区域では一人あたり月1万円の計算で、約10年分が二度にわけて支払われている。これらは所得税の対象とはならない。賠償金の使途について条件はつけられていないので、避難生活に使う人もいれば、老後の資金として大切に貯金している人、新しい家を確保するために一部を当てている人もいる。
 一方、居住制限区域や解除準備区域の人々に対しては、区域指定の解除後1年間は精神的損害の賠償が支払われている。指定解除となり元の家に帰還出来ることは良いのだが、月10万円が1年後に支給ストップすることを覚悟しなくてはならない。
避難した方が毎日何人か避難先で亡くなり、訃報が新聞に掲載されている。ほとんどが80代、90代だ。
 これらの方も既に精神的損害に対する賠償が行われており、既に受け取ってしまった賠償金を死後に精算して東電に返却しなくてはならないのか疑問が生じたので東電に問い合わせると、受け取り後すぐに死んだとしても、本人や家族に対して賠償金の返却は求めないと返答があった。避難してからしばらくして「月に10万もの賠償金がもらえるのだから年寄りも死んでいられないよ」と冗談を言っていた人がいたが、それは考えすぎだった。賠償金を受け取ってからすぐに死んでも最大1千数百万円もの金が遺族のものとなる。
 事業主が避難のために事業が出来なかったことに対する損害賠償、勤め人が就労出来なかったことに対する損害賠償についても1年分が事前に支払われるが、これについても本人が死亡した場合は、返却の必要はないと決めている。毎月あるいは少なくとも半年づつ支払っていくような賠償の仕方もできたはずだ。国なのか原子力損害賠償紛争審査会なのかそれとも東京電力なのか、誰がどのような権限で、このような払い方をすることを決めたのかは不明だ。
 これらの賠償金の原資は消費者の支払う電力料金であり、国民の収めた税金なので、どのように支払うかは消費者や納税者そして東京電力の株主の了解を取ってからにする必要があるのではないかと疑問も出て来る。

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter