日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

福島県の将来(1)

 福島第一原発の事故以前、福島県は他県で見られるような人口減少、高齢化に加えて山間部から近くの都市へ、あるいは東京など巨大都市への人口移動が始まり、山間部から人が去りその対策は急務であるとされていた。
 そこに原発事故が発生したことで、一時は県の中心部からも県外に避難する動きもあったが、まもなくほとんどが県内に戻り、浜通りの住民も多くが県内避難して人口流出は止まっている。事故のあった2011年は社会減が大きかったものの、3年後の平成2014年にはこれまでの減り方に戻っている。
 とはいえ、かつて200万人強と言われた県の人口が、今や190万人を切っており、平成25年の合計特殊出生率は原発事故前の水準に回復しているものの、さらに人口のゆるやかな減少が続いている。
 このペースで減少していくと2040年には福島県の人口は148万人になる。高齢化も全国平均より大きく進み、まもなく全人口の30%が高齢者となり、就業者は約60万5000人と事故前の60%になると予想さている。
 避難に伴う住民の移動については、浜通りのいわき市ではあまりにも多数の避難指示区域の住民が流入したため市が受け入れを渋ったり、現住民の反発をかったりしたが、会津若松市など過疎化が始まった地域では、自治体も住民も避難者受け入れに温かかったようだ。それでも、避難が長引くようになると、避難者は会津地方の冬の厳しい雪と寒さに耐えられず、会津からいわき市に再び移動する傾向が生じた。
 県は人口減少に歯止めをかけるため、自然増と県外からの移住者増加による社会増を狙って以下の対策を打つとしている。
(1)県内に安定した雇用を創出する
(2)県内への新しいひとの流れをつくる
(3)若い世代の結婚・出産・子育て支援
(4)ひとと地域が輝くまちづくり

 2040年には福島県の人口が148万人と予測されているのに対して、県はこうした施策によって、2040年に人口160万人程度の確保を目指している。
 人々が県内にとどまり、県外から人が移住するには条件がいくつかある。
競争力と将来性のある企業が多くある、よい学校がある、立派な病院や介護施設がある、ゆとりのある住環境がある、子育てがしやすい、気候がよい、大自然が豊か、食べ物の種類が多く安くておいしい、ショッピング施設やアミューズメント施設がある、遠くの大都市や外国にもアクセスがよい。といったところだろう。
 県の対策は大まかなものであり、具体的にはこれらの条件を満足しなくてはならない。そのための資金は国の地方交付税に過剰に依存するのではなく、対策の成功により県内企業や住民からの税収が増えるといった好循環が起きる必要がある。次回はこれらの条件について福島県の現状を評価し、将来はどうなりそうかを予測する。

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter