日本エネルギー会議

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福島県の将来(4)

 福島県は人口減少に歯止めをかけるため自然増に加え、県外からの移住者による社会増を目指している。今回は福島県で住民が安心して暮らしていけるかという観点で現状と将来を考える。
 福島県は東側が130キロにわたって太平洋に面しており、東日本大震災で大きな被害を受けた。沖合には太平洋プレートが沈み込み、定期的に地震が発生する。何百年かに一度は大地震が起き、それによって大津波が押し寄せている。
 福島第一原発、第二原発のある海岸沿いには相馬市からいわき市にかけて港があり、平野が広がっていて町になっているが、これからも大津波による被害は避けられない。
 福島沖を震源とする地震は、浜通りはもちろん中通りや会津など県内全域に影響する。現在は防潮堤など建設しているが、どこまで耐えられるかは誰にもわからないし、川からの海水の遡上は防ぎようがない。
 福島県は全国的に見ても火山が多い県だ。近年、噴火活動を繰り返している23の火山のひとつである吾妻山は県庁所在地の福島市のすぐ西側にあり、大噴火すれば市内に火山灰どころか溶岩が押し寄せる。県南部の白河市は那須岳(栃木県)にごく近い。
 過去100年程度以内に火山活動の高まりが認められている火山としては、安達太良山、磐梯山がある。これらが噴火すれば福島市、郡山市、会津若松市など人口密集地が大きな被害を受けるのは避けられない。
 台風が上陸することはほとんどないが、毎年豪雨によって県内を横断する阿武隈川の氾濫、奥会津の土砂災害などが起きている。JR只見線はいまだに寸断されたままだ。また会津地方は有数の豪雪地帯だ。
 これらは自然災害であり、今後温暖化によって異常気象が増加すると見られるので防災対策が重要となる。山間部の集落がなくなり都市に人が移ってくるのも豪雪地帯の生活に困難さがあるからだ。人口減少を食い止めるにはしっかりと対策を講じる必要がある。
 そして最大の問題は福島第一原発の事故の影響である。除染が進み避難区域指定が解除されても、他県の人たちから見れば危険なイメージがぬぐい去れない。「水俣」と聞けば「水俣病」を連想するように、「福島」と聞けば「放射能」だ。特に子育てをする若い人たちからはこれからも敬遠されつづけると思われる。
 福島県知事や議会が第二原発廃炉に固執するのも福島が原発から手を切らねばという思いが強いからだ。さらに第一原発の廃炉が順調にすすまないならば、他県からの移住者は期待出来ないだけでなく、県内からも人が減ることに繋がるだろう。

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