日本エネルギー会議

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資金的裏付けを

 福島第一原発の廃炉の状況が報じられる度に地元住民として心配になることがある。廃炉の期間は30~40年となって計画そのものが確定していないこと、廃棄物は県外に搬出、帰還困難区域はどんなに年月がかかっても最後まで除染をやると政府や東電は繰り返し発表しているが、本当に出来るという保証はあるのかという心配だ。
 廃炉が始まってすでに6年経っているが、探査ロボットによる格納容器内の状況調査さえも順調に行っていないため、デブリの取り出し方法なども決まっていない。既に当初予算をはるかにオーバーしているのに、これからまだいくらかかるかもわからないのだ。帰還困難区域の除染は今後5年かけてわずかに区域全体の5%をやるという話だ。その先はどうするか決まっていない。
 廃炉や除染にかかる資金確保がこの先も出来るかについては、東京電力が事業による利益を廃炉資金に当てるとしているが、頼みの綱の柏崎刈羽原発の再稼働の見通しがまだ立っていない。電力各社は原発再稼働が遅れ、自社の古い原発の廃炉も進めていかなくてはならない中でこれまでのように福島原発の廃炉に資金的支援を続けられるかは不透明だ。
 東京電力を事実上国有化している国も、これから東海再処理施設の廃止措置に70年間で8000億円、もんじゅの廃炉に30年間で3750億円、ふげんの廃炉に25年間で750億円がかかることが見込まれている。帰還困難区域の除染や中間貯蔵施設の建設・維持管理なども考えると原子力関連でこれからも国は膨大な予算を組む必要がある。一般の原発の廃炉についても地元からは電源三方交付金の配分などなんらかの手立てを求める声が強い。
 チェルノブイリ原発の後始末では何度となく資金不足が問題となって各国からの支援を仰いでおり、これからも心配は続く。福島県浜通り地域の復興に福島第一原発の順調な廃炉は欠かせないが、廃炉や除染で出た廃棄物の中間貯蔵はまだまだ始まったばかりだ。廃炉や廃棄物の処理処分計画はいままでの実績からすれば、期間は延長となり金額が必ず上ぶれする。
 政治家は「時間がかかっても最後までやる」と公言するが、国の財政が厳しくなれば政府や電力会社は資金確保が出来ず計画が遂行できなくなる。資金的裏付けを伴った計画の遂行を法律で確実に担保しなければ、地元は納得しないし、復興の意欲も削がれる。

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