日本エネルギー会議

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福島第一原発事故の影響

 福島第一原発の事故の直接的原因あるいは間接的原因・背景を調査し分析し、その中から反省点を見つけ出し、これからの行政なり組織運営なり、また個人の考え方や行動に活かして行くことをコインの表とするならば、事故による影響について同じように調査分析を行うことはコインの裏である。事故の影響の本当の姿を知ることは、次の二つの観点からコインの表と同じくらい重要であり、場合によってはコインの表より大事なことかもしれない。
 一つ目の観点は、国家にとって事故によるマイナスが、原発を必要な電源として建設し運転することによってこれまでに得られたプラスと比較することである。これが大きなマイナスであれば、原発を導入・開発した政策は失敗であったことになる。
 このことは将来すべての原発が他の電源に替わった時点で総括すべきことであるかもしれないが、福島第一原発のような大きな事故があった際には、中間決算ともいうべき検証をすべきであろう。
 ただし、プラス・マイナスの比較は金銭的なものに限るべきではなく、国家のエネルギー安全保障や国際収支、各地方の振興、故郷から切り離された住民の心情なども含め総合的に行われるべきである。また、事故は国内に留まらず世界にも影響を与えた。国によってその差があるが、全体として原発開発を停滞させ、その結果はブーメランのように再び我が国の原発産業に戻ってきた。
 二つ目の観点は、事故の拡大防止、沈静化、住民の避難などの過程において、事故の影響を最小限にするような措置がなされたかの検証である。影響を調査分析するなかで、ここまで影響(被害と言ってもよい)を拡大せずに済んだのではないかという反省が出てくると考えるからだ。
 住民避難を伴うような原発事故は二度と起こしてはいけないが、万一起きた場合には福島第一原発の事故の教訓が行政や企業活動や人々の行動に活かされなくてはならず、その点でもこの調査分析は必須のことである。
コインの裏側について詳細に調査・分析・評価したものはあまり見たことがない。事故から6年経過したが、今こそ福島第一原発事故の影響をそれなりに調査出来る時期になったのではないかと考える。

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