日本エネルギー会議

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評価出来る点

 このところ日本原電東海第二原発の再稼働と運転開始40年以降の延長問題が浮上している。東海第二は私が工事着工の前年から燃料装荷まで働いた想い出深い職場でもある。原子力規制委員会は再稼働に向けた安全審査の会合で、東海第二も含め1980年以前に運転を開始した古い原発が難燃性の電気ケーブルを使用していることに対して火災対策を重点的に審査する方針を示している。
 古い原発でこの審査を受けるのは東海第二が初めてとなるため、日本原電の「すべて難燃性のものに交換するのは難しい。防火塗料を塗ることで対処したい」との主張が通るかどうかを各社が注目している。合格しなければ全国各地で廃炉に追い込まれる原発が間違いなく増える。
 さらに東海第二は全国の原発の中でも、30キロ圏内の人口が97万人とダントツに多い。日本原電は、東海第二原発が立地する東海村と茨城県に加え、日立、常陸太田、那珂、ひたちなかの4市と安全協定を締結しているが、水戸市を加えた6市村でつくる「原子力所在地域首長懇談会」は、周辺自治体の同意なしに東海第二原発の再稼働をできなくするため、権限の拡大を求めている。行く手に高いハードルが待つ東海第二であるが、以下のように他の原発より優れた条件があることも忘れてはならない。
 各地の原発は再稼働に続いて使用済燃料の処理処分問題があり、これを解決しなければあと数年で使用済燃料プールに余裕がなくなり再稼働しても運転継続が難しくなる。電力会社は処分場にも使用済み燃料を受け入れ余裕がないため、とりあえず原発構内あるいは構外に中間貯蔵施設を建設する計画を急いでいる。
 再稼働ではトップを走っている関西電力も使用済み燃料の保管に関しては弱りきっている。美浜町議会の中間貯蔵施設誘致の決議に対しても福井県の西川知事が「発電は引き受けてきたが、中間貯蔵や処分まで引き受ける義務はない」と関西電力に県外設置を迫っているからだ。
 ところが、東海第二は既に構内に乾式の使用済み燃料保管施設を建設、2001年から運用しており、東海第二の使用済み燃料はプールからここに移せる。また、日本原電は東電との共同事業で青森県むつ市に日本で唯一の構外型の中間貯蔵施設を建設した。
 原子力規制委員会による新規制基準適合性審査をクリアするための新たな安全対策工事が必要となっているものの、来年後半には竣工する予定だ。これらの施設を前もって完成させ、再稼働後も運転を長く続けられる条件が整っているのは日本原電と東電の二社だけだ。日本原電がかつて原子力発電のパイオニアであったという名残りがここに見られる。
 問題の先送りを出来るだけ避けるという姿勢が原発推進には必要だということは福島第一原発の事故の大きな教訓だ。原子力規制委員会は審査や認可に当たって各電力会社の原子力開発計画全体のバランスも評価するようにすべきではないか。

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