日本エネルギー会議

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新しいベストミックスの姿

 再生可能エネルギー、特に太陽光発電や風力発電は気象によってその出力が大きく変動するため、出力が大きくダウンした際には、火力発電が急遽バックアップために立ち上がらなければならず、経済的にも大きな負担となることが指摘されてきた。原発はこれとはまったく逆で、一度稼働してしまえば24時間全出力で発電出来るのでこれこそベースロード電源にふさわしいものと言われてきた。
 しかし、原発の長所と言われてきた点が裏返しに短所となるということも考えられる。それは電力需給に余裕があり、省エネ節電が進んだ場合、全体の需要が落ち込んで供給力が余ってしまった場合だ。省エネ先進国の日本では毎年数パーセントの電力需要の落ち込みがみられる。
 原発をベースロード電源として動かすために、夜間は火力発電などを抑制するか揚水式発電所の上池に原発からの電力で水を上げることをしなくてはならなくなる。伊方原発が全基稼働時には、四国電力は大型の揚水式水力発電所を併せて運用していた。エコキュートの普及によって深夜電力需要を飛躍的に増加させることも考えられる。 
 一方、昼間は太陽光発電の電力が多くなるので、原発の運転を止めないかぎり再生可能エネルギーの方を抑制する必要が出てくる。せっかく自然の恵みで燃料費がかからない電力が得られる時に、それを止めなくてはならないというムダが生じる。いくら原発が燃料費の割合が少ないとはいえ、運転すればそれだけ燃料は減損する。
 今後、止まっている原発が次々に再稼働すると、東京、関西、中部以外の需要の規模が小さい地方で昼間は時間帯によって電力が余ってくる可能性がある。その場合、他の地方に融通出来ればよいが、そうでない場合は余剰電力で水素を製造して貯蔵するのもひとつの解決策だ。
 原発がフル稼働しているということは、突然停止し大停電になるリスクがある。そこで頼りになるのはやはり火力ということになり、原発も再生可能エネルギーなみに火力発電所に負担をかけるということになる。
 こうした問題を解決するには火力発電所に代わって瞬時に供給力を補うための揚水式ダムと大型蓄電池や水素製造装置と水素発電装置を準備する必要がある。また、他地域との連携線を強化しておく必要がある。
 これは再生可能エネルギーに行った投資を無駄にしないためにも必要なことであり、最新のAI技術によって再生可能エネルギーの出力予測や蓄電池の充電放電を行うなど全体最適な需給コントロールが出来るようにするべきである。単なる電源の割合ではなく、こうした全体最適が出来ることが新しいベストミックスの姿ではないか。
 

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