日本エネルギー会議

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主人公(1)

 前月末、富岡町の自宅に一時立ち入りをしたが、いわき市から常盤高速道路を走り富岡町まで来ると、避難区域の解除がされたインターチェンジの周りの田畑はメガソーラーで埋め尽くされていたので驚いた。となりの大熊町でも解除された区域では盛んにメガソーラーが建設されている。福島県は太陽光発電の認定申請が昨年日本一だったが、見た目からもその勢いが感じられた。
 福島県は福島第一原発事故を受けて、知事が再三にわたって東京電力に福島第二原発の廃炉を迫っている一方で、「原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会」を目指すことにし、2040年までに県内72万世帯が必要とするエネルギーと同じ量を再生可能エネルギーで生み出す目標を掲げている。通過点である2020年の目標は40パーセントを自給するというもので、2015年で24パーセントの実績がある。
 再生可能エネルギーの内容としては、福島の地理的条件を活かして、太陽光、風力、地熱、中小水力、バイオマスとほとんどの手段を網羅したもので、既に猪苗代湖の南にある郡山布引高原風力発電所、会津にある柳津西山地熱発電所、須賀川市の福島空港メガソーラー、会津木質バイオマス発電所などが稼働している。
 避難指示が解除されつつある浜通りも「イノベーションコースト構想」と銘打って再生可能エネルギーの技術開発と拠点づくりを目指している。楢葉町沖合の太平洋では世界最大級の浮体式洋上風力発電所が稼働を始めているが、その計画からは次のような特徴が読み取れる。

・県、市町村あるいは県内の民間企業や団体により地域の再生可能エネルギー事業を推進すること。
・県民参加型ファンドや県民向け再生可能エネルギー定期預金などを通じた県民参加を促進すること。
・単なる売電事業推進ではなく、県立の研究所をつくり、企業立地補助金を出して再生可能エネルギー関連産業の育成、集積を図ろうとしていること。
・売電収入を避難解除区域の復興に使おうとしていること。復興まちづくりにおいてエネルギーの地産地消型のスマートコミュニティを考えていること。

  再生可能エネルギー開発を機に、電力会社など全国規模の企業が発電所をつくり、地元は土地を売却、運営の一部受注、税収や寄付を期待するといった従来のビジネスモデルから、地元が主人公になって事業をするという新しいビジネスモデルへ転換しようとしていることが読み取れる。

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