日本エネルギー会議

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安全な浜通り

 集中豪雨に見舞われた新潟県と福島県に午前中に災害警報が出た。福島県では会津地方の只見町には住民全員に避難指示が出された。JR只見線は昨年の洪水で橋脚が流されたため不通が続いており、最近ようやく地元自治体が資金を出すことでJRも復旧工事をスタートさせることに同意したばかりだ。
 奥会津地方は急峻な山に囲まれており、平地がほとんどなく、川沿いに集落があるような場所が多く昨今の異常気象で一番被害の出やすいところだ。巨大な水力発電所のダムと豪雪が有名なところだ。
 福島県は会津、中通り、浜通りの三地域に分かれている。このうち会津は縄文遺跡が多く、古くから人々が山の暮らしをしてきた。また、会津若松市がある会津盆地は米どころとして知られ、山間部と違って比較的災害は少ない。
 中通りは奥州街道沿いに古くから多くの人が住んでいるが、一級河川の阿武隈川が南北に流れておりその流域が平地となって多くの人が住んでいるが、阿武隈川やその支流はしばしば氾濫を起こしてきた。現在も郡山市の中心部では大雨で道路が冠水する。冬には雪もかなり積もる。
 浜通りは他の二つの地域と比べ気候が温暖である。冬は雪雲が西側のあぶくま高地で遮られ、太平洋沿岸には暖流が流れていることから平均気温が中通りと比べて夏は5度低く、冬は5度高い暮らしやすいところだ。大きな川がないため洪水もほとんど心配ない。海沿いに平野はあるが夏に冷風が海から吹くため米作りには適さず、中通りとくらべて人口密度は低かった。
 福島県の災害として忘れてはならないのが、県の中央にある磐梯山の噴火と浜通り沖を震源とする大地震による大津波だ。ただし、数百年から千年の間隔で起きるため、普段は身の危険を感じることは起こりにくい。また、浜通りはいわき市から南相馬市の間であるが、その沿岸のほとんどは高さ20~30メートルの断崖となっており、先年の大津波でも浪江町の港や双葉町の浜の部分では人的損害もおおきかったが、そこを除いては津波の被害は三陸に比べ軽かった。
 このように自然災害に関して浜通り地域は福島県の中でも最も安全な場所である。今後、奥会津地方は人口が流出して会津若松市や中通りに移住が進むと思われるが、一番安全で温暖な浜通りが原発事故のためにその受け皿となりそうもないのは大変残念なことである。

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