日本エネルギー会議

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グラフから考える

 百聞は一見に如かず。グラフを見てその表しているところを的確に読み取り
それをシンプルに表現するとともに、課題と対策をあれこれ考えるのも一興だ。

日本のエネルギー・発電の供給量割合

出典)経済産業省エネルギー庁「エネルギー白書2017」

 このグラフは9電力会社プラス沖縄電力が、電源別にどの程度の電力量を供給したかの推移を示している。再生可能エネルギーを電力会社に売電した分は反映されているが、住宅のソーラーなど自家消費に回った分は反映されていない。

 グラフから読み取れることは、
・2007年、すなわち10年前のピークから電力会社の供給量はGDPとは関係なく一貫して減少傾向にある。その理由は省エネ、節電、産業構造の変化、自家発電自家消費、人口減少と考えられる。(節電の背景には電気料金の値上げがある)
・原子力は福島第一原発の事故で2011年から激減、石油も減少しており、それはLNGと石炭で補完された。もし原子力が従来のままなら石炭は2015年にゼロに出来た。
・再生可能エネルギーは水力と合わせても2015年の時点では、まだ15パーセント程度しかない。今後急速に伸びたとしても、元が小さいので当面は大きな位置を占めることはない。
・海外資源依存はいまだに大きく、エネルギー安全保障上由々しき状況である。
・石炭は価格が安く、輸入先は分散しているものの、拡大は温暖化対策上問題である。

課題として取り上げるべきは、
・海外資源依存率の低減(厳しい国際情勢の下、自給率の向上は緊急を要する)
・二酸化炭素排出が多い電源への依存低減(国際的約束の履行)
・電力供給における安全性と経済性と安定性の確保
・拡大する再生可能エネルギーの出力不安定対策

課題解決としては
・課題はどれもすぐには解決出来るものではない。一番良い方法はとにかく需要を減らすこと、ピークを下げること。
 その結果、原発も再生可能エネルギーも目標の比率を達成し、バックアップの火力発電設備も減らし、温暖化ガスの抑制目標もクリア出来る。化石燃料の輸入も減り、備蓄も少なくて済み、自給率は上がり、国際収支、エネルギー安全保障にもプラス。GDP一単位当たりのエネルギー消費をさらに少なくし世界の手本となれる。いいことずくめだ。
・そのための方法とは産業設備や家電製品でのIT技術を駆使してのさらなる省エネ。エコキュートやエネファームの普及促進。工場の自家発電自家消費の促進。ZEH、ZEBや自家消費ソーラーへの大幅な補助。そしてピークカット対策としての大口需要側での蓄電装置の義務付けなどが考えられる。
 小池都知事の打ち出した白熱電球とLEDの無償交換制度は評価すべき政策で、全自治体が見習うべきだ。電力消費の大きな製品の製造規制、電車の蓄電池走行、超伝導送電化。FIT期限切れ対策としての蓄電池設置促進策などまだまだアイデアはある。企業でも家庭でも、省エネ・節電への投資が有利になるような税制、料金制度をさらに強化することも出来る。

 この解決策がお勧めなのは、日本人のコツコツ志向と縮み志向に合っていることだ。今、省エネ節電はカネ余りの日本経済に一番の投資先だ。これをやっても貿易摩擦は起きないし、将来大きな配当が期待出来る。国も民間もいままでの「伸びる需要に合わせて供給しなければならない」という観念から脱し、「少ない供給でいかに間に合わすか」を考えることが大事だ。

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