日本エネルギー会議

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双葉町の復興拠点構想

 福島第一原発の事故により全町避難している双葉町は町のほぼ全域が帰還困難区域内になって、これまで解除の見通しが立っていなかったが、このほどJR常磐線双葉駅を中心とした一部を住民が再び住めるようにする「特定復興再生拠点」として整備することを決めた。面積的には町全体の1割程度の広さだ。この計画はさまざまな点で注目に値する。
 全国どこでも駅は町の中心であり駅前がまず発展してきた。過疎化対策で駅前に施設を集めてコンパクトシティーを目指すところもある。駅があることで通勤、通学、あるいは車を持たない高齢者の通院、買い物の範囲の拡大が図れる。行き先として、いわき市、南相馬市、あるいは仙台市などが対象となる。
 また、出張者や観光客も利用出来るため、町への人の流入が期待出来る。JR東日本には是非とも新型車両の導入、高速化、特急の停車などにより、特定復興再生拠点の効果をさらに拡大してもらいたい。
 駅のすぐ東側を福島県内の幹線道路である国道6号線(東京~仙台間)が南北に走っており、町は全域が立ち入り制限されているが国道だけは既に誰でも車で通行出来る。
 また、既に開通している常盤高速道路(東京~仙台間)のインターチェンジも双葉駅から近い位置に新たに建設されることになっていて、双葉駅はまさに交通の要所となる。東京や仙台への高速バスが双葉インターチェンジや双葉駅前に停車することになりそうだ。
 避難区域であった自治体では商業施設や病院の建設を優先する例が多いが、町村では規模の大きなものは作れないため、交通の便をよくすることで近傍の大きな町あるいは都市の大型施設を利用出来るようにした方が住民も喜ぶ。
 事実、福島第一原発の事故以前も双葉町には大きな商業施設はなく、浪江町や富岡町あるいは南相馬市に週末買い物に行くことが住民たちの楽しみにもなっていた。
 福島第一原発は双葉町と大熊町にまたがっているが、双葉駅は敷地から最も近い駅であり、来年予定されている常磐線の全線開通後には大熊町の大野駅とともに廃炉工事の関係者が遠方から来る際の最寄駅となる。
 出張者は双葉駅で降りて、双葉駅前で宿泊すれば最も便利だ。町全域が帰還困難で他に移住してしまった人が多いため、古い家屋の解体費用を負担することで立ち退きをさせなくても復興のための用地買収が出来る可能性もある。
 この拠点を元に少しづつ復興エリアを外に広げていこうとする町長の狙いも的を得ており、暮らしにくさを理由に帰還を逡巡する住民に対しても説得力のある計画だ。 

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