日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

処分場問題の難しさ(4)

 前回に引き続き、核のごみ最終処分地選定問題を考える。 

 資源エネルギー庁は今回の科学的特性マップ公表に当たり、「政府として原発事故の収束と復興に全力を挙げており、相応の配慮が必要」として、福島県での説明会の開催は予定していないとした。
 福島第一原発の事故にともなう廃棄物の中間貯蔵施設をすでに引き受けた福島県民にとっては当然だとの思いもあるが、以前から処分場は引き受けないという意思表示はしてはいない。
 原発を10基抱えてきた福島県としては、高レベル放射性廃棄物の最終処分場について説明を聞く機会を与えられないというのは残念な気もするし、他県の人々が福島県を説明の対象から外したことをどう思うかにも関心がある。
 「政府として原発事故の収束と復興に全力を挙げており、相応の配慮が必要」という文言も意図がよくわからない。福島県は福島第一原発の事故で大きな迷惑をかけたからこれ以上はかけられないというのか、復興に忙しいので説明など聞く余裕がないと思っているのか。
 もし茨城県の北部や宮城県の南部が処分場候補地になった場合、福島県も大いに影響がある。そのような所は政府が申し入れをしないのだろうか。原発立地と同様に隣接、隣隣接の自治体の意見をどの程度まで聴くのかという問題につながるが、それはさておいても、福島県を説明会の対象外にしたことは不自然だ。
 青森県は高レベル放射性廃棄物を六ヶ所村の日本原燃の施設で預かる際に、最終処分場としないと約束しているので処分場は対象外だ。すでに鹿児島県知事は処分場を拒否すると表明。福井県の西川一誠知事は「発電は引き受けてきたが、中間貯蔵や処分まで引き受ける義務はない」と県外設置を迫っている。
 すると原発のある県では住民からなぜ自分の所も対象外にするよう主張しないのかと知事に突き上げがくることが予想される。全国民のために大きな負担をしているという点では、米軍や自衛隊の基地をたくさん抱えている県では、自分たちの所には有無を言わさず大きなリスクのある基地が置かれているのはおかしいという意見が出るだろう。
 資源エネルギー庁が今回は科学的特性マップ公表だとしたにもかかわらず、何故科学的特性ではない「地元の負担問題」を同時に言いだしたのか理解に苦しむ。福島の廃炉や六ヶ所村での仮貯蔵という現実に対して少しでも問題が生じてはまずいと思ったのか。
 自分たちが今担当していることに関して、わずかでも波風が立っては困るという官僚のエゴが見え隠れするようでは、世代を超えた処分場の解決はとうてい無理だろう。          
 (つづく)

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter