日本エネルギー会議

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新たな有望電源

 新たな有望電源といえば、再生可能エネルギー、より安全性を高めた次世代型原子力発電などを思い浮かべるが、発想の転換をすれば最有力は電力需要のピークを下げ、全体の需要も抑制するネガワットだ。
 原発が全基止まったのに停電にならなかったのは、省エネ化や節電の効果が大きいといわれている。事実、ここ数年は毎年ピーク下がり続け、世の中の景気は良いが総需要もマイナスを記録している。
 円安で海外から輸入する化石燃料の価格は高止まり、原子力も安全規制強化の影響でコストアップが止まらない。いままで供給義務を果たすため、不足すれば増設するという考えできた電力会社も、自由化したので今後は考え直すはずだ。  
 需給において山と谷がなくなり電力需要曲線が平らになれば、すべての電源はフル稼働状態になり最も効率的に使える。以前、全国の発電所の設備利用率を1パーセント改善しただけで、年間1000億円の無駄がなくなると聞いたことがある。これだけでも大変な経済効果で、最終的には電力料金を下げることが可能だ。
 従来、ネガワットの発想がなかったのは、そのための有効な技術や仕組みがなかったからだが、最近次のような変化が見られる。

・家庭やオフィスで電力消費の各16パーセント、24パーセントを占める照明が、LED化によって長期にわたって劇的に削減される。エアコン、冷蔵庫も節電タイプが普及しつつある。

・蓄電池が事業用のみならず家庭用まで販売されはじめ、次々に新機種が登場。

・電車用の超伝導ケーブル、蓄電した電気で走る電車などが実現する可能性が大きくなっている。

・電力融通用の送電網と周波数変換設備の増設が実現しつつある。

・公共機関や大規模店舗、オフィスビルなど需要家側に蓄電池を無償で取り付け、電力需要と供給のバランスをとり、電力会社からピーク抑制報酬をとるアグリゲータ事業者が出現した。

・電力使用量の可視化、節電のための機器制御、再生可能エネルギーや蓄電器の制御等を行うシステムであるエネルギー監理システムの元になるスマートメーターが全国に普及しつつある。

 いま話題の小池百合子希望の党代表は「原発ゼロへの工程表をつくる」と表明したが、彼女は都知事就任以降、「日本中の照明を発光ダイオード(LED)化することで原発は13基不要になる。節電、省エネは原発の不要をもたらす」とも語っていた。
 既に東京都は家庭や事務所の白熱電球とLED電球を無料交換する制度をスタートさせている。これから紆余曲折はあるだろうが、ネガワットは電源のひとつになるという発想が必要だ。

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