日本エネルギー会議

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原発とESG

 ESGとは投資判断に使われる用語で、環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)の頭文字を取ったもの。この3つを考慮した投資手法をESG投資と呼んでおり、いま世界では2500兆円の投資がESGにしたがって行われている。
 約10年前に当時のアナン国連事務総長がニューヨーク証券取引所で「金融は世界経済を動かしているが、投資判断の過程で環境・社会・企業統治への考慮が欠けており、持続的な指針が必要」と演説し、国連がPRI(責任投資原則)という6つの守るべき規範をつくり、世界中に賛同(=署名)を求めたことからESGが始まった。
 今日ではESGが投資分析・判断に欠かせない要素になり、世界最大規模の,年金基金である日本のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も署名している。日本企業もESG投資の対象になるよう対応に務めている最中で、洗剤などで有名なKAOは原料を生産しているインドネシアのパームオイル農場の労務管理問題で苦戦している。
 原発の建設運転を行っている電力会社や原子炉メーカーは果たしてESGを意識した経営を行っているのか疑問だ。原発そのものが温暖化抑制に貢献していると自負しているが、環境・社会・企業統治での問題がないことを確認出来ているのだろうか。例えば原発関連で懸念される事は次のようなことだ。 

・途上国のウラン鉱山での鉱夫の内部被ばくや健康管理

・原発など原子力施設の建設、定期検査、廃止措置における下請け作業員の過剰な被ばく、労働環境

・同じく検査対応など繁忙期の社員や子会社社員の過剰労働

・放射性廃棄物の管理状況

・原発周辺海域での温排水の影響

・福島第一原発事故による環境影響 
 
 エネルギー基本計画に沿って新たな原発の建設が議論されるべきとの声もあるが、建設には長期にわたる巨額な資金が必要である。電力会社や原子炉メーカーなどは、これからも今まで同様、金融機関に原発をESG投資の対象にしてもらえるよう内部を点検することが大切である。

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