日本エネルギー会議

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電気自動車の買い時

 今自分が乗っているハイブリッドカーのプリウスが走行距離17万キロになり、次はPHVか電気自動車をと考えていた矢先に日産が一回の充電で航続距離280キロのリーフの新型を発売した。最近は充電スタンドも随分増えてきた。先日、那須のアウトレットに行くと駐車場に何台もの充電器があり、気が付くと近くのコンビニや新築した須賀川市役所の駐車場にも複数の充電器が設置されていた。
 価格もそれほど高くなく航続距離が実用的な長さまで伸びたとはいえ、まだリーフを買う気にはならない。なぜなら充電時間が急いでも30分以上かかるからだ。家の車庫で充電するならそれでもよいが、乗っていった先で充電器につないで30分以上も待っているのは困る。
 その間、ショッピングをしたりコーヒーでも飲んでいればよいと言うが、急いでいるときはガソリン車のように手軽に近くで短時間に燃料補給出来たほうが良い。
 そう思っていたところ、リチウムイオン蓄電池の改良によって「いつでも、近くで、待たずに」ガソリン車にガソリンを入れるように充電出来る電気自動車の開発に目処が立ったというニュースが届いた。そんな凄い電池を開発したのが、原発事業で手痛い目にあって再建に苦しむ東芝だというのも皮肉なものだ。
 東芝が今月3日に発表したこの蓄電池は次世代リチウムイオン電池と呼ばれるもので、従来の2倍の容量を持ち、エネルギー密度の高さから超急速充電が可能である。レアメタルの使用に難点を指摘する人もいるが、電池寿命や、耐低温特性も現行のものと遜色はない。
 東芝によると試作した蓄電池を電気自動車に搭載すると6分間の超急速充電で、その航続距離は従来のリチウムイオン電池を搭載した電気自動車の3倍の320キロメートルに延びるという。この蓄電池が2019年に商品化されるというから、電気自動車の買い時はその頃になる。
 大容量の蓄電池が6分間という超急速充電が可能になったことは、他にもいろいろな影響を与えるだろう。まず、今まで充電時間がかかる問題を解決しようと走りながら充電出来る非接触型充電の研究開発が行われていたが、その開発は不要になりそうだ。
 蓄電池の性能が向上し、いつでも充電が出来るので車種によっては車に搭載する蓄電池はもっと容量の小さく重量も軽いものでよくなる。蓄電池の電気自動車価格に占める割合は大きいので、蓄電池が小さくなれば電気自動車が安くなる。電池の充電も必ずしも家で夜間でなく好きな時間帯に行えるようになる。
 電気自動車が増えると電力供給に問題が起きないかという声もあったが、いつでも充電可能となれば、電力需要は時間的に分散出来る。時間帯によって充電スタンドの電気の値段を変えるようにすれば電気自動車のオーナーは電気の余っている時間帯に充電するようになり、電気自動車のために発電所を増やさずに済みそうだ。
 これだけの性能と使い勝手の良さがあれば、いろいろなところで電源として重宝するのでその用途も広がる。電気自動車用の蓄電池は一軒の家が使う電気の3日分は蓄電出来るから、新型蓄電池があれば災害時にも一週間程度は使えるということになり、一戸建てやアパート、あるいは事務所の非常用電源や太陽光発電の出力変動対策としても広く使われそうだ。

  

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