日本エネルギー会議

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原発の管理を誰に委ねるか

 昨年度の電源構成に占める原子力の割合はわずかに2%。国のエネルギー基本計画では2030年に20~22%としているが、現在の再稼働の状況を見ると、その達成はかなりハードルが高い。
 今や原発はいろいろな意味で電力会社の負担になりつつあり、つい先ごろも関西電力が大飯原発1、2号機の廃炉を検討しているとの表明があった。新基準適合のための追加投資を回収出来ないとの見通しを得たものと思われる。
 温暖化対策について我が国の目標値を達成するために石炭火力を抑制する必要があり、再生可能エネルギーが一定の役割を果たすまで一定規模の原発を維持する必要がある。そのためには電力会社が原発の廃炉を判断する前に

① 原発で起こした電気は再生可能エネルギーのように固定価格で買い取る制度をつくる

② 国が電力会社に対し状況に応じて一定の費用負担をする

③ 原発を電力会社から国に移管して運営する

などの考え方を早急に議論して結論を出す必要がある。現在行われているエネルギー基本計画の見直しで、電源としての原発の位置づけを明確にすることが求められている所以でもある。
 結論から言えば官僚的組織、文書主義、現場より法律優先、地元自治体などを見る上から目線、硬直的な予算制度、コスト意識の低さ、天下り天国になるなどの問題が多い国営は避けるべきだ。
 各電力会社が数十年前からやってきた運営管理が間違っていたわけではなく、福島第一原発の事故による影響を受けて民間企業として経済的に苦しくなっているだけだ。原発の存在が電力会社全体の経営に影を落とさないよう、経済的支援をしっかりすることで済む話であり、廃炉に関しても同様である。
 各電力会社が長年にわたって培ってきた会社毎、サイト毎の地元との明文化されないものも含めた多くの約束事、慣習に基づいた安定した関係の下に原発の運営が行われてきた。その背景には数十年にわたって地域で民間企業でありながら絶対的存在であった電力会社に対する住民の絶対的とも言える信頼感情がある。
 電力会社は原発の存在がどうすれば地元住民の恩恵となるかを真剣に考え続けてきたのである。原発で働いてきた多くの人々、あるいは取引をしてきた多くの企業や団体が、外部からの反対運動を地域に持ち込ませないしっかりとした防波堤ともなっていた。これは各地の原発の再稼働についての地元首長や住民の対応を見れば明らかである。
 したがって他社の原発を移管して管理することすら問題を生じさせかねず、ましてや国が電力会社に代わって個々の原発を運営管理するのは極めて困難なことである。

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