日本エネルギー会議

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住民分断のもとをなくす

 原発事故で住民が避難してから6年半が過ぎ、避難指示の解除も進んできた。最近特に強く感じるのは県内で避難した住民と避難しなかった住民同士、避難した住民同士の冷やかな関係が一段と深刻化し、修復が困難になりつつあることだ。
 今までは避難した住民は避難先の人たちから「大変でしたね」と同情されることが多かったが、最近では「たくさん賠償をもらったのでしょう」という目で見られていると感じる。ご近所だけでなく、病院の受付係、配達員、高速道路の料金所の係員、自治体の職員などもなにか対応がよそよそしく、以前から比べると違うように思えるとこぼす人が増えている。
 避難している住民もそのことに敏感になっているせいもある。避難した住民同士でも、以前の町ではよく一緒に行動していた人たちと避難してからしばらくは頻繁に行き来して情報交換などしていたが、避難先に家を構えてしまってからは、ぱったり連絡を取り合わなくなったという話も聞く。
 となりの芝生は綺麗に見えるのは人間社会の常であるが、避難住民に対する賠償や支援のやり方に公平さがないことや、避難しなかった人たちに疑問を持たせるような過剰な支援策が、人々の分断をより一層ひどくしているように思える。
 一例を挙げれば、南相馬市などとっくに避難区域を解除した地区から避難している人にも、いまだに乗り降りのいずれかが福島県内のインターチェンジであれば高速道路料金が無料になる措置が適応されている。
 家族や親戚が全国に分散して避難しているのでその人たちのところへ行くことがある、あるいは避難先から元の家を見に行く必要があるということが根拠のようだが、実際にはどんな用事でも料金所で避難証明書を見せれば無料で通過出来る。
 避難先などに新居を構えて新たな生活を踏み出しているにもかかわらず、自治体は住民票の異動をあえて求めず、あいかわらず医療費も健康保険税も介護保険料も免除。NHKの受信料も免除の人が多い。いまだに東電は個人事業主への収入補償をやっている。旧住居の建物取り壊しを申請すれば被害認定は本人も驚く大甘査定をしてくれ、国からは支援の金が下りる。
 人の口に戸は立てられぬと言うが、こうした情報は関係者から地域の住民にしだいに漏れていく。その間に一部の人が対象の話が、避難者全員が対象になっていると間違って伝わったりして、まともに金を支払っている人はいくらなんでもやりすぎだとなる。
 政治家の次の選挙のためや役人の保身のために税金や電気料金が際限なく使われていては納税者や消費者はたまらない。それに加えて住民間の深刻な分断まで引き起こしているのではまったく許せない。会計検査院も「森・加計問題」で忙しく手がまわらないのだろうか。

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