日本エネルギー会議

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呆れた会見

 高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定の説明会でNUMOが広報業務を委託した業者の再委託先の業者が、埼玉など5会場で謝礼金や物品を提供する約束で大学生ら39人を動員していた問題が発覚した。
 このニュースを聞いたとたん、福島第一原発の事故直後の2011年7月に九州電力が玄海原発2、3号機の再稼働に係る佐賀県民向け番組に再稼働を容認する意見を投稿するよう子会社などにメールで依頼していたことが発覚し、最終的に九州電力の真部社長が辞任した事件を思い出した。それから6年、いまだにこのようなことが行われていることも信じられない。
 長年一歩も進まなかった高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定問題を、今回は国もNUMOも不退転の決意で取り組むこととし、その第一歩としての科学的特性マップ説明会だったはずだ。
 世耕経済産業大臣も説明会がスタートする前の記者会見で「この科学的特性マップの提示は、最終処分の実現に向けた長い道のりの最初の一歩でありまして、お示しした後も、全国でさらなる対話活動を積み重ねていきたいと思っております。国民の皆様の理解をいただきながら、一歩ずつ着実に進めてまいりたいと思います」と述べていた。
 ところが事件発覚後の記者会見では、世耕経済産業大臣は説明会が経済産業省とNUMOの共催であるにもかかわらず、「事実関係の究明は徹底する必要がある」とNUMOに再調査を求める考えを示した。まるで他人事のような発言だ。
 「広報活動を下請けさせていたこと自体問題だ」などと言っているが、下請けどころか孫請けがやったことなのだ。今回の説明会について経済産業省は共催とは名ばかりで、まったくノーチェック、丸投げだったと自白しているに等しい。
 NUMOの担当理事は会見で「謝礼を支払う形の募集はしないと委託先にも周知していたが、徹底できていなかった。深くおわびし、委託先の見直しを検討する」と謝罪したが、近藤理事長がこの件についてはまったくメディアにも出てこないのは何故か。自分たちは被害者のようなコメントを聞くと、その体質を治さねばNUMOにこの困難な任務を任せるのは無理だとしか思えない。
 この件についてのメディアの追求や報道もいろいろだ。共同通信は電力会社で見られたような根深い「やらせ」体質が処分場問題でも浮き彫りとなったと評し、新潟日報は11月24日付の社説で、「発覚直後、NUMO幹部は委託先企業に謝礼による動員をしないよう指示したと強調し、自身が被害者であるかのような釈明に終始した。」「経産省は運営は役割分担と説明し責任回避の姿勢を見せた。当事者意識の薄さは理解に苦しむ。」と鋭くえぐった。
 しかし、大臣の他人事のような記者会見で大臣自身のこの問題に対する覚悟など当事者意識を問う質問が出ず、多くのメディアが大臣発言をそのまま記事にしたとすれば、これまた由々しきことではないか。

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