日本エネルギー会議

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「原発推進者の無念」の著者が原発事故1周年後の心境を語る その2

福島第一原発の事故の避難者は少しでも役に立つ情報はないかと、県や町からの定期便を心待ちにし、毎日テレビのニュース、新聞記事に注目している。しかし、自治体やメディアから求めているものが届くことは少ない。
避難者が関心のあることは、残してきた自宅のことと補償も含めてこれからの生計をどうしていくかだ。果たしていつになったら戻れるのか、除染の効果はどのていどあるのかを知りたい。被曝や健康に関してはそれほど心配していないが、原発が再び危険な状況になるのではないかには関心がある。
地元テレビ局のローカルニュースや地元紙では、毎日のように各地の放射線量のデータが掲載されている。ひとつの町で20箇所程度の地点の線量が表示されているが、人々は一番自宅に近い地点の数値を参考にするしかない。三ヶ月毎の一時帰宅時には、個人被曝線量計は貸与されるが、放射線測定器は貸与されないため、自宅の敷地がどの程度の線量であるかは測定出来ない。(マイ線量計を持参した人は別)先日、県が細かいメッシュで測った線量マップを発表し、それが地方紙に掲載されたが、これは多くの避難者が熱心に見たはずだ。それほど避難者は自宅敷地や隣地の線量を知りたがっている。線量の高い区域の住民は、どの区域に入るかで補償が違ってくることがわかってその意味でも、関心があるのだ。
時間の経過とともに線量が下がっているのか、いないのか、その傾向を人々は知りたいのだが、メディアはこれを伝える努力をしていない。毎日の線量を折れ線グラフにすればよいのだが、そのようなことをするメディアはない。モデル事業として各町の役場などの除染が実施されたことは、大々的に報道されどの程度除染効果があったかについても数字が示されているが、その後その線量が維持されているのか、再び上昇したかについては一向に情報がない。原発の冷却装置のトラブルも最近は以前からみて少なくなっているのかどうかわからない。メディアにも視聴者、購読者の目線が不足している。

2012.5.29
北村 俊郎

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