日本エネルギー会議

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猪に5千万円

 福島第一原発の事故による避難指示で双葉郡内に人がいなくなり、動物たちの王国になってしまった。6年前に初めて富岡町にバスで一時立ち入りをしたときは、はるか遠くに牛や馬の群れが見え、犬の姿もあったが、まもなく犬や猫は姿を消した。
 野性化した牛が生垣に大きな穴をあけ、肥料などを食べた跡があった。さらに1年ほど経つと、牛や馬の姿は見かけなくなり、キジや豚が道路を闊歩するようになった。
 今年4月の避難指示解除で町の面積の三分の二が戻れるようになり、町役場も元の場所に移った富岡町でも猪などの数が増え、町はその駆除に大わらわだ。解除した地域の駆除を担当する町の産業振興課(帰還困難区域は環境省が担当)の話では、現在は猪、ハクビシン、アライグマが駆除の対象になっている。キジは特に悪さはしないので対象外のようだ。猪は豚との混血もいて繁殖力が大きく町全体では1000頭程度はいると見ている。
 ハクビシンやアライグマは家の天井裏に棲み着く。猪は帰らない家の作業小屋や倉庫に暮らし、夜間だけでなく昼間も家や畑に出て活動している。雑食だが、地面を掘って木の根っ子を食べ荒らす。
 私の家の庭も猪が掘ったと見られる穴がたくさんある。町役場に依頼すると早速捕獲用の檻を庭に設置してくれた。奥に餌があって檻の中に猪が入ると細い線に触れて同時に入口が閉まるように出来ている。設置してから一週間経つがまだ猪は入らない。

 町は猪などの駆除に地元猟友会13人の協力を得て、年間5千万円の予算を当てている。これにより年間400頭を駆除しているとのことだ。ある程度の集団になっているので、なかなか根絶は難しいようで、家庭菜園も脅かされる状況だ。営農再開したところでは電気柵の設置などを余儀なくされているという。長期の避難には除染や賠償以外にも、とんでもない金がかかるものだ。

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