日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

大企業と不祥事(3)

 日本の大企業の社員の実力があらゆる面で低下しているのでないか。20年前ぐらいからは年を追うごとにレベルダウンしているように思えるが、それを裏付ける数字を挙げることはなかなか難しい。
 いつの時代にもベテランやOBからすれば若い世代は頼りなく思えるというのも確かだが、一方、最近になって大企業の不祥事が連続したことは事実だ。それには必ず原因があると考えるべきで、その一つに人材レベルの低下を疑わないわけにはいかない。もしも社員の実力が落ちていないということならば、その他の原因を探し出さなくてはならない。
 不祥事を起こす因果関係を前々回述べたように、「取引先企業や顧客や法令の要求を満たすことが出来ないのでつじつま合わせをした」とするならば、次の三通りの状況が考えられる。

①人材レベルは変わらないが、今までより要求(コスト削減のための人数削減も含め)が厳しくなった。

②要求は変わらないが、人材レベルが落ちてしまった。

③要求が厳しくなったうえに、人材レベルも落ちてしまった。

 ③が一番苦しい状況で、今はこの状況にあるのではないかと考える。出来ないと言えない雰囲気が社内にあると現場に無理が生じて、つじつま合わせのために改ざんや偽装をする可能性が高い。こうなると顧客からの指摘か、内部告発がないと改ざんなどは明るみに出ることは難しくなり、そのまま後輩に引き継がれていくことになる。
 もし、調査の結果で品質が過去と同じレベルに保たれていたとしても、人材のレベル低下を増員や体制変更、作業方法の改善、検査の強化などでカバーしているのだろう。また調査のやり方が適当だったかということも疑ってかかる必要がある。内外の状況が過去と同じということはないため、評価はなかなか難しい。
 社員の実力は学力だけでは推し量ることは出来ない総合的なものであり、業務知識、経験、倫理観や責任感、忍耐力、コミュニケーション能力、フォロワーシップ、改善意欲なども含まれる。
 組織内で指導的立場の社員であれば、リーダーシップ、広い視野、時代感覚なども加わる。これらが業務遂行上不十分なことが不祥事の原因の一つになると思われる。これらはほとんどが入社前、学生時代にその基礎が築かれており、その上に入社後OJT、OFFJTによって実力が涵養される。
                   (つづく) 

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter