日本エネルギー会議

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福島県とゴルフ場

 現在、全国にはおよそ2300のゴルフ場(9ホール以上)があるが、2002年をピークに毎年その数を減らし2016年までに152コースが閉鎖及び廃業している。『レジャー白書』によればゴルフ人口はこの間に30パーセント以上も減少。働き盛りのゴルファーが減少し、ゴルフ場は土日の売り上げが落ちている。
 団塊世代が後期高齢者となる数年後にはさらに大幅減少すると見込まれている。池田勇太のようなスタープレイヤーも出ているが、ゴルフはするスポーツから観るスポーツに変わっているようだ。
 ゴルフ場の多い県は北海道、兵庫、千葉、栃木と続き、福島県は12位だ。
 2004年から2017年までに閉鎖・廃業したコース数は1位が北海道で31、2位は福島県で17だ。コース数はそれぞれ145と43だから、割合としては福島県がダントツ。避難をしたことと震災の影響でゴルフ場施設が痛んでしまい、それらを修復するのが難しく閉鎖を余儀なくされたことが原因だ。
 避難区域にある我が家の庭ですら維持するのが難しいことを考えれば、広いゴルフ場では当然のことだ。ゴルフ場側は採算からすれば一回10000円は取りたいプレー代だが、ゴルフ場同士の競争で平日3000円昼食付きなども珍しくない。もっと以前からその程度の利用料だったらと思う人も多いはずだ。
 ゴルフ場の閉鎖・廃業に拍車をかけたのがメガソーラー開発だ。農地と比べ農地転用手続きのハードルもなく森林のように伐採の手間もない。ゴルフ場は比較的平坦で、すぐにでもソーラーパネルの設置工事が始められる。
 固定価格買取り制度が始まると、ソーラー発電業者は全国の経営難に陥っているゴルフ場に買収攻勢をかけて次々に買い取った。会員権取引業者にはメガソーラー事業参入を検討する企業から「つぶれそうなゴルフ場はないか」と、毎日のように問い合わせがあり、実際に時価の倍近い価格で買取がおこなわれたという。
 その後、ソーラー発電の売電価格は年々下がり続け、関連業者の倒産も相次ぎゴルフ場買取ブームは下火となった。売れ残った経営不振のゴルフ場は固定資産税に苦しみ、耕作放棄地のような運命をたどりそうだ。
 ゴルフ場の消長ひとつ取ってみても、日本の人口減少、高齢化、原発事故などの影響が広く及んでいることがわかる。 

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