日本エネルギー会議

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税に関する小話

 ロシアのバラコボ原発(ボルガ川流域にあり、VVER100万キロワット4基)での情報交換会に参加した時、現地の歓迎会でロシア人たちがウォッカを飲みながら小話を楽しむのが大好きなのを知った。参加者が次々に立ち上がって流行の小話をする。話が終わると全員で「乾杯」をして次の人の番になる。自分もなんとか小話を考えて切り抜けたが、一番おもしろいと思ったのは「税に関する話」だった。
 レモンをどこまで絞るかを力自慢の男たちが競っていると、年取った小柄な男が来て、大男たちが絞りきったレモンを掴みさらにどんどん絞ったので皆が驚いた。あの男はいったい何者かと調べたら元税務署職員だったというのがオチだ。
 税のことをいろいろ考えてみるのも一興だ。今、不祥事で話題の日本相撲協会は宗教法人のようにほとんど税金を払っていない。近頃ガソリンがかなり値上がりしているがその半分は税金だ。これから電気自動車が増えていくと道路財源などが減ってしまうがどうするのか。電気に関しても発電所のある地域に配られる電源開発促進税の他に再生可能エネルギーを支援するための賦課金が上乗せされている。
 屋根に太陽光パネルを上げている家庭は、毎月10000円程度を電力会社から支払われているはずだが、所得として申告したという話は聞いたことがない。東日本大震災と福島第一原発の事故で福島県内の精神科の医者が結構忙しいようだが、稼いでも税金で取られるだけだとボヤいているらしい。
 東日本大震災や福島第一原発の事故に関連してもさまざまな税の減免がある。政府広報として避難者に配布された「税制ハンドブック」はA4版で80ページもある。「被害にあった方には法人税、相続税、贈与税、印紙税、登録免許税に関して税の減額・免除・還付があります」とあり、項目は「地震や津波による被害にあわれた方」と「東電福島原子力発電所事故にあわれた方」に分かれている。後者の主な内容を紹介すると

・避難区域に指定されている間は、土地・家屋には固定資産税、都市計画税は免除。さらに解除されても3年間は2分の1に減額される。
・避難先に新たに土地・家屋を取得した場合は、購入時の不動産取得税や一定期間の固定資産税・都市計画税が減額される。農地を買った場合も不動産取得税は免除される。
・持ち出し困難な区域にある自動車について、既に支払った自動車重量税が還付される。もし廃車すれば、自動車税もかからない。代わりの車を買う場合には自動車重量税と自動車取得税が免除される。
・東電からの賠償のうち、精神的苦痛に対する一人月10万円の慰謝料、避難にかかった費用、建物や家具などの補償は課税対象としない。
・事業を行っていた人が避難先や解除された区域に戻って事業を再開するケースや他県から来て復興事業をする人には各種の税の減免が講じられている。
・自治体も解除後に戻った人に対しては少なくとも1年間は固定資産税を免除にしているようだ。

 このように税に関しては被災者に対して、いたれりつくせりだがニュースにはならず避難者以外の人はそのことをほとんど知らない。現在、東日本大震災の復興に当てる財源の確保を目的として全国一律で所得税、住民税、法人税に上乗せが行われている。
 所得税は2013年1月1日からの25年間、税額に2.1パーセントを上乗せ。法人税は2012年4月1日以降3年間、税額の10%を追加徴収。住民税は2014年度から10年間、1000円引き上げられている。税の使途は被災地に限定しており、国はこれらの増税で10.5兆円を捻出する。これらの税に関しては避難している私の場合もしっかり徴収されている。

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