日本エネルギー会議

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ドローンの活躍

 島根原発を抱える鳥取県が原発事故対策としてドローンを2機導入したとのニュースが報じられた。災害時の避難経路の確認などに使用するとしているが、おそらく全国で初めての試みと思われる。
 また、アメリカのインテル社は、「CES」(今月、ラスベガスで開催されたコンシューマー・エレクトロニクス・ショー)の基調講演で、人を乗せられるドイツ製の電動飛行機を舞台で浮上させた。たまたま、福島第一原発の事故の「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の500日」を読み返しているのだが、あの時、現地の本部がドローンを持っていたらどうだったかを考えるとその使い道は限りない。
 中央制御室にいても重要免震棟の現地対策本部にいても、原発構内のどこで何が起きているかが把握することが困難で、そのために危険を犯して社員を現場に行かせなければならず、その範囲は限られていた。
 テレビカメラを増設したとしても数に制限がある。そんな時にカメラや測定器を搭載したドローンがあれば、広い現場で建物や構築物の外観を細かく確認出来る。一号機のICが動いているかどうかの確認も、排気口のすぐ傍まで行って映すことが出来たはずだ。
 他には、空間線量の測定、行方不明者の捜索、事前の道路状況確認、津波の再来監視、物品の運搬、通信機の中継基地、移動式照明など用途は多様だ。ドローンは人を載せることが出来るような大型のものもあれば、小鳥や昆虫のような小さなものなどさまざまな種類がある。
 木立の間をすり抜けて飛ぶドローンがあるように、原発の建屋内でも設備や壁にぶつからないように空間を自由に飛べるドローンも開発出来るはずだ。そうなれば運転員が被ばくしなくとも現場の確認が取れ、小さいものなら機材も運べる。
 逆に人が載せられる大型のドローンであれば救急用に使い、瓦礫があっても高所からであっても怪我人を運ぶことが出来るし、非常用の小型電源車も運べる。ケーブルやホースを曳くことも出来るはずだ。このような任務はヘリコプターでは翼や機体が大きすぎて不向きだ。
 まだ開発されたとは聞いていないが、水中で自在に動き回れる潜水型のドローンもそのうち出来るだろう。そうなれば港湾内や使用済み燃料プールやサプレッションチェンバーの中も探索出来る。人が行って確認したいが、危険で近づけないところはすべてドローンに任せることが可能だ。
 今後は原発にはドローン部隊が出来ても不思議ではない。そうした場合、十分な数の台数とオペレータ、そして実地訓練が必要なことは言うまでもない。原発の事故現場がいかに環境条件の厳しい所であることは、「死の淵を見た男」を読むと切々と伝わってくる。そういう場所こそドローンが活躍出来るところではないか。

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