日本エネルギー会議

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「原発推進者の無念」の著者が原発事故1周年後の心境を語る その11

国会の事故調査委員会も政治家の証言などが話題を集め、福島第一原発の事故の経過や原因に関する解明が進んでいる。今月中にはまとまった報告も出るようだ。これに対して、事故の再発防止にどんなことが必要かという点は、まだ論点すら明確でないのが実情だ。
福島第一原発の事故原因やその背景には、日本社会そのものが内蔵する問題、自然と科学技術の問題、科学技術の引き起こす脅威の問題などが潜んでいる。原発事故だけでなく、人々を襲うかつてない大災害の発生を防ぎ、万一発生した場合の準備を整えておくために、どのような手を打っていくかについて早急に検討が進められなくてはならない。原子力規制庁の設置などは、まだほんの一部に過ぎない。
原発事故により故郷を追われた被災者は、この苦しみを決して無駄にしてはならないと感じており、その思いはヒロシマ、ナガサキの人々と同じである。文芸春秋に「新聞エンマ帖」という欄があるが、今回の事故の原因究明と対策の実施に関して、新聞記者だけでなく国民だれもがエンマ帖を持って、その推移を監視しなければならない。移ろいやすいメディア、忘れやすい国民性を考えるとき、人々は閻魔大王が現れることを期待するが、大事なことは被災者や事故の当事者が終生エンマ帖を肌身離さず持ち続けることかもしれない。

2012.6.4
北村 俊郎

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