日本エネルギー会議

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過疎地における電気の確保

 書店に行くと人口減少問題に関する本がベストセラーになっている。人口減少、少子高齢化は地方では目に見えて変化を感じるが、東京ではまだ若い人を中心に人口流入が続いていて実感がわかないようだ。
 また、全国ネットのテレビや全国紙は東京発がほとんどなので人口減少などを感じさせない情報が作りあげられて全国に流されている。この国の存立に関わる大事に対する政府の政策はあいかわらず従来の域を出ておらず、後世の評価にはとうてい耐えられまい。
 地方では都市部以外は人口が少なくなって地域が人にとって暮らしにくくなり、それがまた人口流出を生み出すという悪循環に陥っている。過疎地で人が暮らしていくためにはインフラがしっかりしていることが条件であり、具体的には電気やガスなどのエネルギー供給、水の供給、道路や橋と交通手段、医療や介護などと、これを動かし維持するための財源を確保する仕組みが必要だ。
 さらに自然災害や人為による火災を防ぐための防災、起きたときの災害対応も重要だ。野生動物の害も過疎地域では大きな問題となっている。これまでも地方自治体がこれらの問題に取り組んできたが、ここでは電気やガスなどエネルギー供給について考えてみたい。
 従来、電力会社は地域独占を許される代わりにどのような山奥や離島でも需要家がいれば電力を全国平均的な価格で常時供給する義務を負わされていた。だが電力自由化が進めば条件の悪い山奥や離島では送電線の維持、更新を考えると市場価格で従来の数倍あるいは数十倍の電気料金を請求しなくてはならなくなる。
 ちなみに福島第一原発の事故で住民が大幅に減った原発周辺の市町村では水道事業が成り立たなくなっている。現在は東京電力が今までの収入に見合った補償を水道事業団に支払っているが、この先補償が途絶えれば水道料金を10倍以上に値上げするしかない。おそらく水道は井戸にとって代わられると思われる。せっかくの下水も戸別浄化槽方式に逆戻りだ。ガスについては従来どおりプロパンガスのボンベの定期的な交換で供給を受け続けることは可能だ。
 電気の場合、離島では既にディーゼル発電機が再生可能エネルギーと蓄電池の組み合わせに代わられようとしている。内陸の過疎地でも小水力発電やバイオマス発電あるいは太陽光発電や風力発電などその地域に適した再生可能エネルギーで電気の自給自足の方向に向かうと思われる。
 さらに自給率100パーセントを超えた電気を売ることで財源にすることも考えられる。ガソリンスタンドがなくなることは過疎地にとって大変な問題だが、電気自動車をはじめとする動力の電動化でカバー出来る面が多い。
 太陽光や風力といった再生可能エネルギーは不安定なため蓄電池が併設されたり電気自動車の蓄電池が活用されると考えるがこれにも限界があるため、緊急用としてどの家庭にもあるプロパンガスボンベで発電する小型発電機を各戸に備えておくようになるのではないか。(ボンペ4本で850ワットの電気を72時間供給することが可能) 国も単に電力自由化を推し進めるだけでなく、その結果として影響を受ける過疎地の電力確保について現実的な対策を考えておく必要がある。

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