日本エネルギー会議

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悔やまれること

 最新の家電やパソコン、スマホなどを購入した後に、価格が安く性能も良い製品が出て「しまった」と思うことがある。技術進歩、製品開発が急速に進む分野でしばしば起こることだが、販売店の人に言わせると「それを言っているといつまでも買えませんよ」ということだ。
 再生可能エネルギーの世界でも同じことが起きている。世界150か国以上が加盟する国際再生可能エネルギー機関(IRENA)の最新の報告書によると、現時点で陸上風力発電コストは2010年以降1/4に下がり、太陽光発電のコストは73パーセント削減され、2020年までに太陽光発電のコストはここからさらに半減する見通しだ。性能面でもパネルの変換効率は年々上がって、現在市場の約9割を占める結晶型太陽光パネルで20パーセントを超えるものまで現れている。
 日本は再生可能エネルギーの拡大を目指して固定価格買取り制度(FIT)を導入したために、太陽光発電と風力発電が急激に増え、特に太陽光発電は2016年には累積導入量が中国に次いで世界第2位となった。
 これは国内で太陽光発電に適している土地の多くが既にソーラーパネルによって占拠されたことを意味している。悔やまれるのはこれまで置かれたソーラーパネルは価格が高く、性能は悪いことである。それらのパネルはこれから20年程度発電をし続け、国民に賦課金の負担を与え続けるのだ。
 もしも最新式のものに取り替えようとすればかなりの償却不足を覚悟しなくてはならず、結局高いものになってしまう。再生可能エネルギーのための適地がふんだんにある国やこれから再生可能エネルギーを導入しようとしている途上国に比べると、日本は先行した分だけその発電コストが高く、国際競争の面では不利になることは致し方がないのだろうか。
 早期に再生可能エネルギーに固定価格買取り制度(FIT)を導入したのは関連の産業育成のためだったこともあるが、今やソーラーパネルの製造などは中国に完全にシェアを奪われ、風力発電設備もヨーロッパ諸国の後塵を拝している。
 これから登場する安価で高性能のパネルの設置出来る土地はわずかしか残されていない。かつてない急速な技術革新の最中では、優秀な通産官僚たちにとっても先を見越したエネルギー政策、産業政策を立案することは難しかったものと思われる。

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