日本エネルギー会議

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泥棒に入られました

 一昨日、一時立ち入りで富岡町の帰還困難区域内の自宅に帰った。玄関の鍵を開けて居間に入ると、タンスの引き出しが少し開いている。中に入っていた物がタンスの上にある。他の部屋に行くと様子がおかしいことに気づいた。廊下を通って離れに行くと納戸の西側の幅1メートルほどの小窓のガラスが割られていた。泥棒がここから入ったようだ。町役場経由で警察に通報すると、間もなくパトカーが到着。数人の警察官が現場を調べ始めた。
 被害届けを作成するとのことで、前回の一時立ち入りの日時、その時はどのような状態だったか、何か無くなっているものはないかなど聞かれる。窓の下に一輪車があったので、恐らくその上に乗って窓ガラスを壊して侵入したようだ。調査すると中庭に出るサッシ戸の掛けたはずの鍵が掛かっていなかったので、そこから出たようだ。無くなったものは小型のテレビ1台。その他にも何か盗って行ったようだが何を盗られたかわからない。
 数年前に一時立ち入りが出来るようになった時、テーブルやソファ、ベッドなど大物家具以外の財産価値のあるものは既に避難先に持ち出し、不用品は毎回のようにゴミステーションに出している。玄関に昨年購入した草刈り機と大型の石油ストーブが置いてあったが盗られていなかった。多分、泥棒は一人だったので重いものは盗まなかったようだ。前回の立ち入りは1ヶ月前なので、この1ヶ月間に泥棒が入ったようだ。
 警察官の対応をしていると、道路を挟んで向かいの家の夫婦がやってきて、自分たちの家も泥棒に入られたようだと言う。いままで一時立ち入りでその隣人に会うことはなかったが、その日は避難先の東京から来ていた。
 警察官はその家も調べることになった。警察官によれば、最近この辺りの家が軒並み泥棒の被害に遭っているという。バリケードに囲まれた帰還困難区域であったこともあり、自宅は猪の被害はあったが泥棒の被害は7年間皆無であった。新聞には時々泥棒が捕まったというニュースが出たり、大熊町の知人宅が数回も泥棒に入られたということは聞いたりしていたが、とうとう自宅付近も被害が出始めた。
 古いテレビは捨てるつもりの物だったが、サッシ戸のガラスを壊された方が被害としては大きい。シートで外から窓を覆って応急措置をしたが、雨風が入らないように近々ベニアなどで塞いで置く必要がある。この辺りは家と家が100メートルくらいは離れているので、自宅を建てるに当たって用心に1階の窓やサッシ戸はすべて雨戸を付けておいたが、納戸の窓は小さいので鉄格子も付けなかったのを狙われてしまった。一時立ち入り時に泥棒と家の中でばったりということになれば怖い。
 警察官によれば、泥棒はまた入る可能性があるという。今回は下見で次に大型のものを運ぶために複数で来る場合もあるようだ。道路はバリケードで封鎖されているが、徒歩であれば裏の林などから入ってくることは容易だ。帰還困難区域は電気が通っていないので家の周りに防犯カメラをつけることも出来ない。
 いままで捕まった犯人は除染作業で立ち入ったことのある者が多い。中には休みの日に仙台方面から常磐道を通ってやってくる者もいるらしい。平日の昼間は除染関係の人々がたくさんいる。警察は月に1回程度家に来て、何日にパトロールしたかを紙に書いてドアに挟んでいく。消防団も毎日のように消防車で家の前の道路をパトロールしているが、夜間はまったくの無人になる。
 避難している人は帰還困難区域への一時立ち入りを年間最大で32回許されているが、避難先の須賀川市からは片道2時間かかるので毎月1回立ち入りするのが精一杯で、玄関に「家の中には何も残っていませんよ」と貼紙をしておくようだ。富岡町生活環境課によれば町内の主要道路44ヶ所に80台のテレビカメラが設置されている。警察からの依頼によって録画の提供をしているが時間や場所の特定に苦労している。担当者には広報誌などで避難している住民への注意喚起をするよう依頼をしたが、帰還困難区域の防犯は後手に回っている感じだ。

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