日本エネルギー会議

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小型炉より出力増加を

 海外では安全対策を追加したことで、原発の建設費の高騰が問題になっている。100万キロ級原発が1兆円というのであれば開発計画が消えていくのも当然だ。一方で、海外では小型原子炉開発が盛んになっているという情報がある。イギリスの小型モジュール炉開発、カナダでは溶融塩炉開発が進み、アメリカ、ロシアでも開発計画がある。
 小型炉は扱いやすく、建設費も少なくて済む。初期投資を抑えて開発をし、その後同じものを数多く造っていけば量産効果が期待出来るなどの長所がある。
 しかし、海外ではともかく、日本では次のような理由で小型炉は優位に立てない。

・地元住民にとって大型でも小型でも原発は同じように迷惑施設である。小型であるから受け入れてもらえるというものではない。

・管理体制、安全設備、テロ対策、規制基準、諸手続きなども小型炉であっても大型炉と同じようなレベルを要求される可能性が高いので経済性がない。

・量産効果といっても、自動車のような台数をつくるわけではない。であれば大型炉で同じ設計のものを出来るだけ多く造った方がより効率的だ。

・原発の建設可能な地点は貴重であり、小型炉で使ってしまうのは惜しい。

 従来、原発は発電コスト低減のために大型化してきたが、建設費が高騰した場合、やるべきことは小型炉ではなく、現在の100万キロ級原発の電気出力を増大することだ。これであれば、他の条件を今まで通りにしておいて、発電による収入を増やすことが可能だ。過去にも発電量を増やすため、定格運転を電気出力から熱出力に変更したことで年間発電量を増やすことが行われた。それでも現在は発生した熱の3分の2を温排水などで捨ててしまっている。その熱の活用方法としては次のようなことが考えられる。

・設計を変え、発生する蒸気をさらに高温高圧にして出力を増やす。

・タービンや発電機の性能を一層向上させる。

・所内で消費する電力を抑制する。

・送電線を超伝導など送電ロスの少ない方法に変える。

・捨てられている熱を利用する。例えば、熱電素子を原子炉周り、あるいは高温の場所に付けた熱電発電。低温蒸気や排水などを使うバイナリー発電。

・一級河川並の温排水の流れを使って放水口先での海中で潮力発電を行う。敷地内、構内建屋の屋上にソーラーパネルを設置して太陽光発電を行う。

・港湾付近に風車を設置して風力発電をする。

 これらを原発の緊急時の非常用電源の一部に加えることが出来れば一石二鳥だ。

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