日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

福島の復興を考える(5)

 福島県の人口は1997年に213.7万人でピークを打って、その後は減り続けている。2011年の東日本大震災と原発事故の影響があり、その年の人口減少が目立つが落ち込んだ分は戻らないまま、その後は以前と同じ減少ペースに戻っている。
 福島県の人口は現在190万人を切っている。県単位では全国で多いほうだが、年間におよそ2万人が亡くなり、1万人が生まれ、差し引き1万人減るという状況が震災後ずっと続いている。福島県では毎年人口の1パーセントが亡くなり、0.5パーセント生まれているということだ。高齢者の比率が年々高まり子供を生む年齢の女性の数も減るため、徐々に自然動態(亡くなった人マイナス生まれた人)は悪化していく。これに県外への流出が加わり、ここ数年でみると、福島県は人口減少率で秋田県に次ぐワースト2番だ。
 高齢化の影響は既に介護保険料の値上げとなって現れている。今年4月に改定された介護保険料では、葛尾村の月額9800円は全国で最も高額だった。他にも第一原発のある双葉町、大熊町や周辺の浪江町、飯舘村、川内村が全国の市区町村で介護保険料が高額な自治体の上位10位に入った。これではせっかく帰還した高齢者も逃げ出したくなる。人口減少とともに、年齢構成も改善が急務だが、これはそう簡単には改善出来ない。
 福島県では人手不足がいよいよ切迫しており、人手が確保出来ないため営業を縮小したり、倒産したりする企業まで出ている。この状況を反映して、中国、ベトナム、フィリピンを中心とした外国人労働者が増加している。働いている場所は製造業、宿泊・飲食サービス業、卸・小売業など。原発事故でいったん県外に流出した外国人も戻り、既に県内には約1万3千人の外国人が在留しており、これからも増加しそうだ。
 県内における人口の地域的分布も年を追うごとに郡山市、いわき市、白河市などの郊外に家がつくられて市の人口が増え、その分、それ以外の所は人口を減らしている。人々が3つの核になる都市に向かって県内各所から引き寄せられる状況だ。
 震災と原発事故以降、各市町村にいた活動的な人(例えばレストランのオーナーシェフやデザイナーなどの個人事業家)や学生が首都圏に移る以外に県内の大都市に移り、その人の周囲には多くの同世代やもっと若い人が集まってくるようになりつつある。福島県は浜通り、中通り、会津の3地域から成り立っているが、その地域区分はそのままで、地域内の人口再配分が進みつつある。これは福島の復興を考える上でのヒントになる。

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter