日本エネルギー会議

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福島の復興を考える(11)

(温暖化という現実に対応できるか)  
 人口減少、高齢化は原因が人為的なものであるが、福島県でも異常気象による被害が顕著になるなど自然の変化にどう対処していくかが喫緊の課題となっている。今年、福島では西日本の豪雨のような災害はなく、台風の被害もなかったが、冬の豪雪と夏の異常な暑さは厳しいものであった。   
 
 奥会津地方では東日本大震災と同じ2011年に発生した豪雨災害によって甚大な被害を受けJR只見線は会津川口〜只見間が寸断。いまだに復旧していない。また、県内を南北に流れる阿武隈川は過去に何回も中通りで氾濫して洪水被害をもたらしている。どこを襲うか分からない集中豪雨は発生頻度を上げている。今年、豪雨災害や台風が来なかったことは幸運だったと考えるべきだ。次々と破壊されるインフラの復旧とともにその強靱化を図る必要があるが、財源と人材の確保をどうするか、避難をどうするかについても具体策が必要だ。 

 夏場の気温の上昇はかつてないレベルとなって、盆地である福島市などは40度近い特別な酷暑が続いた。これらは地球規模の問題で福島県が単独では対処しえないものであるが、子供や高齢者の熱中症防止をどうするか。学校や施設の冷房装置をどのように普及させるかなど、住民の命や財産をどのように守るかは県として取り組まねばならない。

 福島のコメや野菜、果物に対する影響も深刻化しつつある。自慢の日本酒の品質や生産量にも影響するはずだ。気温上昇は海水温上昇とも関連している。日本近海の太平洋の海水温は夏場を中心に高く、魚など種類や繁殖にも密接な関係がある。福島の産品は原発事故による放射能の問題とその風評被害に悩まされ続けてきたが、次は自然環境の急速な変化に対応していかなければならない。また、温暖化防止のために二酸化炭素の排出規制が強まることが予想され、福島県にある石炭火力発電所の運転が近い将来、制限を受けたり、廃止されたりする可能性もある。これによる雇用の喪失や税収などへのマイナスの影響も心配される。これからは、単なる復興政策ではなく温暖化や異常気象を考慮したものとする必要がある。

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