日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

福島の復興について考える(18)

(まず役場庁舎が復活する大熊町)   
 国の復興期間が残すところ2年半となる中、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島では自治体の本庁舎の建設が相次いでいる。地震や津波で大きく壊れた庁舎の建て替えが多いが、福島県大熊町では福島第一原発のお膝元で、いまだに全町避難が続いて地震や津波の被害はなかった庁舎は帰還困難区域にあり使用出来ない状況だ。
 
 約1万人の町民は、現在、広く県内外に分散避難している。県外に2513人( 茨城482人、 埼玉368人など)、県内に7894人(いわき市4677人、郡山市1069人、会津若松市808人など)、合計10407人である。このため、町は会津若松市、郡山市、いわき市、大熊町内に事務所や連絡事務所を置いて行政を行っている。
現在、大熊町は5年後に町内の一部区域の解除を目指し、JR常磐線大野駅周辺、大川原地区などを復興拠点指定し先行除染やインフラ整備を開始した。これに合わせて新庁舎を比較的放射線量の低い居住制限区域である大川原地区に新たに建設することにし先日着工した。常磐自動車道の富岡インターからも比較的近い場所だ。ただ、多くの住民はすぐには帰還が出来ない状況であるため、会津若松などの事務所は継続せざるを得ない。町は新庁舎を復興のシンボルとし、来年4月に帰還することになっている一部住民のサービス拠点にするとともに避難している住民、避難先に移住した住民が大熊町を訪れた際の立ち寄り先になることを期待している。

 新庁舎はいずれも2階建ての庁舎棟(鉄骨造)と災害対策機能棟(鉄筋コンクリート造)で延べ床面積は計5457平方メートル、総事業費は27億4000万円だ。庁舎棟は町長室や窓口機能、議場のほか、町民の交流スペースとしても利用できる大会議室「おおくまホール」を設ける。災害対策機能棟には食料や水を保管する備蓄倉庫や会議室も含ませる。同じ福島県北部の宮城県境にある国見町の役場庁舎は東日本大震災で損壊したが、こちらは2013年9月に着工し2015年2月に竣工した。鉄骨3階建て(地下1階)で、延べ床面積は約4800平方メートル。地中熱を利用したヒートポンプシステムを導入し、冷暖房や給湯に活用する。また伐採木を焼却する木質バイオマスでも冷暖房する。
人口は国見町も9300人と大熊町とほとんど変わらない。しかし、新庁舎の総事業費は17億円と大熊町より10億円安い。東日本大震災以前、大熊町や双葉町のある双葉郡の役場の庁舎の床面積の平均値は福島県の町村の庁舎の床面積の5倍あった。これは双葉郡の町村か原発関連で財政が豊かだったことによる。自宅のある富岡町(人口約1万4千人)の役場庁舎は豪華なもので、浪江町(人口約2万人)の役場庁舎もモダンなものだった。

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter