日本エネルギー会議

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たくましさに感心

 九州電力が太陽光発電の出力制御を実施したというニュースが連日流れている。今月4回目は午前9時から午後4時まで。正午前後に過去最大の93万キロワットの出力制御が行われ、来週も続くと見られる。太陽光発電事業者にとっては深刻な事態で、経営に及ぼす影響は大きい。北海道でも新たなメガソーラーの接続申請には蓄電池の併設を北海道電力が要求している。再生可能エネルギーにとっては厳しい時代の到来だ。

 そんな中、同じ九州の鹿児島にしたたかな再エネ事業者がいる。日経BPなどが伝えた内容をかいつまんで紹介すると、鹿児島県伊佐市のある建設会社が、大型蓄電池を併設した夜間売電型のメガソーラーを昨年2月に稼働させ、昼間は1.2MWのソーラーパネルがつくる電力の全量を6.5MWhの韓国LG化学製蓄電池に貯め、午後6時から12時までの6時間で蓄電池を放電し、充電電力の全量を九州電力の系統に送り固定価格買取価格36円/kwhで売電している。

 このメガソーラーは伊佐市の市有地活用の一環で行われたが、九州電力の送電系統に余裕がなく、ソーラー設置工事着手後に送電系統増強に対する高額の工事費負担金を求められた。そこで元の計画にはなかった蓄電池を併設することで送電系統増強をしないで済む夜間売電方式を考え出した。 太陽光発電と蓄電池の接続形態に関し九州電力とハードな交渉があったようだが、技術的に北海道でメガソーラーに蓄電池を併設するときの方法とは別の方法を取ることで九州電力は接続を了承した。蓄電池の充放電によるロスは10%程度に収まっている。接続制御もなんのそのだ。建設費は約7億円。うち約2億4千万円は政府の補助金制度を利用した。キロワット36円という高い買取価格、政府の補助金という幸運があったが、損失を出さずに運営出来ている根性は見上げたものだ。システム構築を担当したメーカーでは、今回のプロジェクトを契機に「系統出力変動対策用蓄電システム」を製品化した。これを使えば、北海道の風力発電でやっている方式より最大10%の効率改善が見込め、系統周波数の改善に貢献する「短周期変動」対策と、時間単位の需給バランス改善に寄与する「長周期変動」対策の両方に対応できるとしている。こうした技術面での挑戦が続けば、接続制御という難問も徐々に解消して「せっかく発電した電気を捨てる」といった無駄をしないで済むようになる。蓄電池を併設することで再生可能エネルギーが首尾よく主力電源化すれば、今度はいよいよ主力電源同士の競争になる。

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