日本エネルギー会議

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福島の復興について考える(17)

(町政懇談会で見えた困難状況)
 ワイドショーがジュリーこと沢田研二のさいたまアリーナのコンサートのドタキャンを報じている。「あんなにガラガラの客席では約束が違う。俺のプライドが許さない」というのがドタキャンの理由のようだ。その週末の土曜日、富岡町町政懇談会が郡山市役所の会議室を借りて行われた。対象者は中通りに避難している富岡町民約5000人。壇上に並ぶ町側は町長以下各課長以上で総勢30名を超している。ところが集まった町民はたったの35人で席は前半分が完全に空いていて「ジュリーも真っ青」状態だった。
 町長挨拶はこれまでの実績・成果の報告。問題点や課題の話はなく、いつもどおり聴衆からの拍手はなし。見渡せば私も含めほとんどが高齢者。帰還困難区域からの人が多いようだった。カラー刷26ページの資料が配布され、町側から①平成30年度予算の概要、②重点施策・重点項目説明、③町内の状況の順で各担当課長より説明があり開始1時間で懇談に入った。
最初に口火を切った町民は郡山市内の集合場所から来た人で「せっかく町にバスを準備してもらったが、乗り込んだのは私1人だった。懇談会開催の広報の仕方に問題があるのではないか」ということを言った。意見を言ったのは私を含めて4人。
・JR常磐線夜の森駅前の開発ビジョン
・人が住んでいない土地の課税問題
・フォローアップ除染
・これからの町の財源確保策
・帰還困難区域に山積みされた汚染土壌が入った袋の撤去時期
・帰還困難区域の解除に向けた計画
・防犯と鳥獣被害対策
・人口回復、平均年齢を下げるための策
といった内容で、30分あまりで終了。以前のように食い下がる人もいなかった。

 町政懇談会は今回の郡山市の前に東京で行われた。県外に避難している富岡町民は2766人いるが、首都圏には東京都428人、神奈川県216人、千葉県330人、茨城541人となっている。(2018年3月) 東京での出席者は5人であった。対象人数の多いいわき市での開催は2回で、これからだ。終了後に司会をした企画課の課長補佐に「以前に比べ、出席者がだいぶ少ないが」と言ったところ、「みなさん、もう落ち着くところに落ち着かれたということでしょうか」という答えが返ってきた。参考までに現在までに帰還した791人の年代別の割合を尋ねたが、結果は次のグラフのとおりだ。

60代以降が全体の4割を占めている。60代、70代、80代はこれからの死亡率が高い。今後ある程度は帰還するとしても、このままでは再び人口が減るおそれがある。各町村の住民に帰還の意思を確認したのが次のグラフだ。富岡町は上から二段目。

「戻らない」が50パーセントを超えている。「戻りたい」は14パーセントに満たない。まだ判断がつかない30パーセントをどこまで戻すことが出来るか。状況は厳しい。

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