日本エネルギー会議

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北海道大停電と原発事故

 大地震による火力発電所の停止を発端に北海道の全世帯を巻き込んだ大停電が起きた。北海道電力創業以来の大事件は、その原因をめぐって泊原発の長期停止や苫東厚真火力への集中などが取りざたされている。それらの議論を聞いていて思うのは、今回の停電の原因や背景は福島第一原発の事故にそっくりだということだ。

 大電源から大消費地に長い送電線を通しての電力供給方式は、東京電力が柏崎刈羽原発と福島原発から大消費地である首都圏に行っていたのと同じ。北海道の場合は泊原発が長期停止していたため、苫東厚真火力に供給源を集中させていた。これは福島第一原発の事故当時、東京電力が柏崎刈羽原発の長期停止で、福島第一、第二原発と火発に依存していたのと同じ。両社とも大電源の停止による経営危機をなんとかしようと効率優先を意識していたのも同じだ。

 自然災害に対する警戒が不十分だった点も似ている。大地震の発生確率は否定はしないが、すぐには起きないと考えてしまう危機管理の甘さ。だから対応方策や訓練もリアルではなかった。北海道電力の役員のひとりは、「これほどの地震が起きるとは思っていなかった」と正直に述べている。
 
 消費者も大停電の事態は想定せず、まともな備えはしていなかった。福島第一原発の事故の場合、停電ではないが避難をともなうような大事故を住民の誰もが想定していなかったのは同じことだ。北海道で電力供給がピンチになったときの命綱である本州からの系統は60万キロしかなく、これを90万キロにするべく工事中だった。今後はさらに増強することを経済産業省が考えているが、福島第一原発の事故も津波対策をまったく考えていなかったのではなく、検討の途上であったのは同じ状況だと言える。対策は後手に回ってはいけないのだ。
 
 そもそも北海道では電力会社は広大な地域の希薄な人口に電力を供給しなくてはならないという不利があった。もっと以前から地域分散型の電源とネットワークの方向に向かうべきであったが、他電力と同じようなことしかしてこなかった。福島第一原発も古い型の原発で、その後の原発と比較してさまざまな問題を抱えていた。また、日本海溝という大地震の巣が前面にあり、大津波の可能性も十分にあった。他の原発と同じことをしていてはいけなかったはずだ。その場所特有の事情や電源の特性に合わせた対策が取られるべきであったが一般的な対策以下であったことがこれまた共通している。

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