日本エネルギー会議

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すでに虚構か(6)

電力供給を将来的にどうするか。11年後の予想です。

11年後(2030年頃)、どのような社会的、環境的変化で電力供給の有り様はどうなっているか。
・温暖化の影響が高温、大寒波、大型台風、竜巻など一年を通しますます酷くなっており、その脅威はGDP減少や電力設備などインフラの復旧不可能な破壊を進めている。
 発送電設備の強靭化は進められているものの対症療法的でしかなく、コストが増すことで次第に追い詰められている。
・人口は地方で大きく減少し、首都圏も含め一段と高齢化。省エネが進むとともに、産業が人手の確保できる海外に移転したことで、電気自動車普及の影響はあるものの、電力需要は予想を下回るレベルまで落ち込んでいる。
 これは2018年に政府が決めた目標における各電源の達成すべき容量目標を自動的に下げる結果となっている。皮肉にも二酸化炭素発生量の削減もハードルが下がってしまった。
・温暖化対策の強化により石炭火力発電所の稼働は国際的に全面禁止。新規建設も融資が受けられず出来なくなって、石炭火力分を他の電源でカバーしている。二酸化炭素の貯留、活用の研究開発はいまだ途上である。
・すべての原子炉メーカーが海外プロジェクトから撤退した結果、電力、原子力の技術力を支える人材、製造設備が弱体となり、仕事の中心は廃炉となっている。
・電気自動車開発競争のおかげで蓄電池が半値に。太陽光パネルの進化もあって「太陽光発電+蓄電池」方式が住宅などでグリッドパリティ達成。大電源による供給ニーズはその分低下している。
・水力発電をはじめとしてAIを活用した運転で、電源設備の出力や稼働率が平均1割程度向上している。
・福島第一原発の廃炉工事が技術的困難から遅れが決定的となり、当初計画より10年以上延び、廃棄物処分場の関係で終わりが見えなくなっている。
・この間に完成した原発は2機(大間、島根3号機)。廃炉工事中は10機。大型原発は運転中。その他は需給逼迫に備え待機中となっている。
・各自治体では電力の自給自足(民生用、農林水産用の需要を地元で賄える割合)を競っており、30%を超えているところが全国に見られる。(2017年末時点で大分、秋田など14県は20%超え)
・国内で地域ごとの電力ネットワークが強まり、その地域が互いにつながりはじめ、全国規模に及んでいる。北海道と本州を結ぶ電力ケーブル、東西の周波数変換装置の容量が従来比2倍にまで拡大している。
・電力会社は揚水式水力発電所に力を入れている。(東京電力は既設の160万キロワットに加え、2022年までに282万キロワット、さらに2024年までに160万キロワットを建設する)揚水式水力発電所の需給調整能力を
 活かし、晴天時に他社のメガソーラーから安い余剰電力を購入し夜間や雨天時に売るビジネスが電力会社の収益源になっている。

次回は本シリーズのまとめを。                (つづく)

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