日本エネルギー会議

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電気の缶詰

電気の大量消費と言えば自動販売機。日本には550万台があり、昼夜を問わず年中飲料を冷やし、温め、照明をつけて電気を消費し続けている。飲料メーカーの日本コカコーラでは夜間に強く冷却しておき昼前後は冷却をしないピークシフト自販機を開発、日中の消費電力を最大95パーセントカットしている。これは需給が厳しい場合のマイナスのデマンドコントロールの一例だ。

ところが最近は、太陽光発電で昼間の供給が過剰になり、これにどう対処するかが問題になっている。需要のある地域に送電するか、蓄電池で貯めるかなどが試みられている。東京電力はこの余剰電力を使ってプラスのデマンドコントロールを始めた。11月16日付日経新聞イブニングスクープによれば、太陽光発電など再生可能エネルギーの発電量が余る時に、売電先の工場に対し割安に電気を供給する仕組みを導入。AGC(旧旭硝子)など3社と契約し、電力余剰時に素材の増産を要請し電力消費を促すという。

余剰電力を蓄電池や揚水式水力のような位置のエネルギー、圧縮空気、あるいはフライホイールのような回転運動に変えて貯蔵することが試みられているが、電気を大量に使う製品にしてしまうという発想が出てきた。実はこの発想は古くからあった。アルミニウムはボーキサイトからアルミナを抽出して製造される。この時、電解工程で莫大な電気を使うため「アルミニウムは電気の缶詰」と言われる。アルミニウムの製造など電気をたくさん使う工場は、日本のように電気料金が高い国から電気料金の安いカナダなどに移ってしまっている。

東京電力のプラスのデマンドコントロールは「割安」がミソで、電力会社、太陽光発電会社、電力大量消費企業の三方良だ。電気も需給状況によって価格が変動するようになったのだ。日本コカコーラも一律に夜間に冷やすのではなく、
AIと遠隔操作技術を使って、天気予報によりピークシフトを探るようになるはずだ。

缶詰も元はといえば大量に漁獲があった場合、捨てる代わりに缶詰にされたのであり、乾物や燻製、干物など食品の世界では大昔からその発想でやっている。東京電力に続いて他電力も追随の動きがある。「電気の一般商品化」が始まったと見るべきだろう。太陽光発電には全国の電力消費者が巨額の賦課金を支払っている。「割安」な電気で作られた製品は消費者に安い価格で提供されることが必要だ。

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