日本エネルギー会議

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AIで何かできそうか

最近、産業界ではAI(人工知能)を使った効率化が進み、あらゆる分野での応用事例が見られる。特にディープラーニングで過去の事例をコンピュータに短時間で学習させ、ベテラン並の能力にすることが進められており、関連するビッグデータを集めることが盛んに行われている。

電力関係でも、水力発電所で運転方式にAI導入した結果、発電量が1割増えた。火力発電所でボイラーの燃料調整を効率化することで、年間1億円程度のコスト削減を可能にしたといったニュースが報じられている。いずれもベテランの技術者の能力に負けないレベルだ。再生可能エネルギーでも、AIを活用した風車の故障予知技術を開発し、風力発電の設備利用率を2%高めることに成功した事例が出ている。では原発に関してAIは何ができそうか。設計、製造、運転、保守、廃炉の各段階でどのようなことが可能なのかについて考えてみた。
・事故、故障のデータを集めて、AIに学習させることで設計、製造、運転、保守、廃炉をより最適なものに近づける。
・多くの機器にセンサーを取り付け収集したデータをAIによって分析し、故障、事故などの予測をすることで事前に警告を出し、安全を確保する。
・定期検査などで、AIによって非破壊検査の画像を見過ごさず的確に診断する。
・AIによって運転員などの能力を評価し、適正配置するとともによりよい配置計画、教育訓練計画をつくる。
・負担になっている記録の整理保管、書類の作成をAIによって効率よく行う。

まだたくさんあるだろうが、これらが実現すれば、①工事期間の短縮、②事故・故障回数の減少③被ばく量の低減、④労働災害の減少、⑤放射性廃棄物の低減、⑥二酸化炭素の削減⑦発電量の増加、⑧安全性の向上、⑨教育訓練の充実、➉人員の削減、⑪建設費、運営費の削減などが期待出来、総じて原発の電源としての優位性は高まる。

だが、長所があれば短所もある。政府も基本的人権を侵さないなど「AIに関する7つの原則」を示すことにしている。原発でのAI活用についても、過剰に依存することで人の力量が落ちる、システムダウンすれば業務がお手上げになる。コンピュータ化を進めればハッキングで情報流出する可能性が高まるなどが心配される。しかし、例えそうであっても、他のエネルギー、他の電源がAI導入で攻勢を強めている状況では、原発も積極的にAIを導入することが求められる。フロントエンド、バックエンドにおいてもAIの活用は大いにありうる。これは時代の流れだ。幸い、日本の原発メーカーはAIの産業活用に関して先進的や役割を果たしている。大手電力各社が情報共有、共同開発を進め、これを国が支援する。また、この分野での国際協力を考えるべきではないか。

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