日本エネルギー会議

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余剰電力の行方

「2019年問題」とは2009年に運転開始した住宅用の太陽光発電の固定価格買取が開始から10年で終了することで(メガソーラーなど事業用は20年)、その後の自家消費以外の余った電力をどのように処理するかという問題だ。日本のソーラーパネルメーカーによればパネルに関しては20~25年はそれほど出力が低下せずに発電するようだ。(パワーコンディショナーなどは15年で交換が必要)そうなれば、あと10~15年は自家消費出来るし、余れば売ることが可能だ。固定価格による買取が減ることは、いまや国民の大きな負担になっている賦課金が減る方向なので喜ばしい。   

最近になって、多くの大手電力会社やアグリゲーターと呼ばれる取引業者が盛んにこの買取り期間の終了した住宅用の太陽光発電の余剰を買い続ける意向を示している。キロワット8~10円という具体的な数字を提示しているところもあり、この価格ならば買い取っても儲かるようだ。電力会社も設備投資や運転費用をかけないで電力が調達出来るというメリットがあるのだろう。一方、太陽光発電のオーナーも蓄電池などへの投資をしないで済むので歓迎かもしれない。
しかし、オーナーは電力会社などに売らないという選択もある。最も考えられるのは住宅用の蓄電池を新たに設置して、余剰電力を貯めて太陽光発電の出来ない夜間に使うことで、電力会社からほとんど電気を買わなくて済むようにすることだ。ただし、まだ住宅用蓄電池の価格が高いのが問題である。東北電力はオーナーが蓄電池を置かないでも、余剰電力を一時預かって必要な時に引き出せるサービスをやると発表した。

他に蓄電池を設置しない方法としては、いままで安い深夜電力を使ってエコキュートにお湯を貯めていたのをやめ、昼間に余剰電力でお湯を作って貯めておくことが考えられる。深夜電力と言っても電気料金を電力会社から請求されるからだ。エコキュートは丁度、電力会社が揚水式ダムを深夜でなく昼間に使うようにしているのと同じだ。さらにEVが普及すれば余剰電力をEVの充電に使うことも考えられる。ただし、昼間は自宅に駐車している時間は比較的少ないのであまり行われないかもしれない。EVの電池を満タンにしても300円程度で済むので他から購入した電気を使う人が多いだろう。

もうひとつ可能性があるのが、電気製品を蓄電池の代わりに使うことだ。今、自販機は昼間のピークを避けるため、夜間に飲料を相当に冷やし、昼間は電力を使用しない機械が開発されている。この技術を生かした冷蔵庫が発売されるかもしれない。その場合は自販機とは逆に太陽が出ている昼間に冷やしつづけておいて夜間は電気を使わないような冷蔵庫を開発することになる。その場合、AIを駆使して管理すれば不安定な電気であっても上手に使うことが出来るはず。「2019年問題」はさほど心配しなくてもよさそうだ。

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