日本エネルギー会議

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文明と原子力(5)

文明と言うには少なくとも100年単位の長期にわたって継続的に社会を支え、世界中に広まることで富が蓄積し、人口が増え、人々の生活が豊かになり、高度な文化が花開くことが必要だと考える。これまで四回にわたり、文明と原子力について述べてきたが、最後に原子力が石油のように文明と呼べる時代を築いてきたかについて確認する。

世界のエネルギー消費量の内訳

資源エネルギー庁資料

この図を見る限り、1950年代に最初の原発を造ってからの約70年間、原子力は文明としては石炭や石油のような実績を残せていない。原子力は石油に代って次の文明になろうとした夢の存在であったと言えよう。私のように原発の仕事を40年も経験すると、頭の中は原子力ばかりで、原子力が文明を支えているような錯覚に陥っている。
今後、大きな技術革新や社会情勢、特に温暖化の深刻になるなどしてエネルギー供給あるいは電気供給の大半を原子力が担うようなことになれば、原子力文明の夢が現実となる。原子力はいろいろ話題になり期待はされたが、いまもって存在感は小さく、近代の科学技術の成果ではあるものの文明にはなりきれなかった。あすなろの木は「翌檜」と書くが、原子力はいまだに「檜」ではなく「翌檜」なのだ。
参考までに英BPの発表した「2017 BP Energy Outlook」によれば、2035年までの世界の一次エネルギーの割合は下図の通りで、天然ガスを含めた化石燃料時代が続くとなっており、原子力は伸び悩み、再生可能エネルギーが立ち上がるとされている。

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