日本エネルギー会議

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福島の復興について考える(29)

住民帰還に関する統計調査に不備がある。いつまでにどれだけという目標値もない。これはおかしくないか。
実は復興庁も福島県も福島第一原発の事故で避難指示が出た市町村における現時点での帰還者の人数を把握していない。インターネットで探しても出てこないので、県に問合わせたところ、「人口(住民票上の人数)は把握して毎月出ていますが、どのくらい帰還したか(実際にそこで暮らしている人数)については、こちらでは把握していません。たぶん復興庁も把握していないのでは」とバツの悪そうな口ぶりだった。「ときどき新聞に帰還者数や帰還率の表が出るが」というと、「それは各社の記者さんが各町村に当たってまとめられているのだと思います」と答えが返ってきた。復興庁の被災者支援班に電話するとやはり把握していない。庁内の福島担当に電話をまわされるが、ここでも同じだった。どうしても知りたいと言ったら、後刻各町村発表の数字を教えてきた。それを書きとったのが下の表である。帰還率は手計算した。なるほど調査時点もばらばらだ。

(注)
・田村市、南相馬市、広野町、楢葉町、富岡町、浪江町は2018.12.31現在の帰還者数
・川俣町、葛尾村は2019.1.1現在の帰還者数
・川内村は2018.9.1現在の帰還者数
・田村市と南相馬市の避難前の人口は避難指示対象区域の人口

復興の計画管理をしているところが、実際にどの程度の割合で住民が帰還しているかを把握していない。メディアが文句も言わずに各市町村に取材しているのにも驚いた。大熊町と双葉町以外はとっくに区域指定解除しているのだから、その後、帰還率がどのように変化しているかをグラフにして示すべきである。避難者が全国どこに避難しているかは都道府県別に詳しく調査されて定期的に発表されている。避難中のケアも大事だが、それ以上に帰還者を増やすことにもっと関心を寄せるべきである。

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