日本エネルギー会議

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「~」と信頼

昨年7月、新しいエネルギー基本計画が発表になった。経産省はエネルギーを巡る国内外の情勢変化を踏まえ、2030年、更に2050年を見据えた新たなエネルギー政策の方向性を示すものだとしている。この中で、電源割合を決めるひとつの基準として、ワーキンググループで発電コストを検証した。その結果は、太陽光発電が半分になり、風力発電が下方に幅を広げた以外は、ほとんどの電源で、2014年と2030年で変わらないというものだった。

従来型の電源が16年後も変わらないというのはどういう根拠なのかわからないが、一番気になったのは原子力だけが幅を示さずに「10.3~」すなわち10.3円以上となっていたことだ。経済産業省の担当者に何故原子力だけ「10.3~」と上限が示されていないのかと質問をすると、「福島第一原発の事故の関連で今後収束費用や賠償費用などが上振れするかも知れないがそれが読めないから」との返事であった。

原子力だけ「~」で上限がないのは高級鮨屋のカウンターに座ったようでいくら請求されるかわからない怖さがある。参考でもよいから上限値を示すべきではないか。日進月歩の再生可能エネルギーでさえ幅を示している。上限が示されないのは、実際にはとんでもない大きな数字になることがわかっているため、わざと幅でなく「~」にして誤魔化したかと勘ぐりたくもなる。原子力にとって一番大事なのが信頼であると関係者が口を揃えて言うのだが、「~」は国民を原子力に対して懐疑的にさせるとともに、経済産業省の基本計画についての自信のなさを表現している。

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