日本エネルギー会議

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福島の復興を考える(35)

避難区域であった地域が除染を終えて解除後も住民が戻らないことから深刻な人口減に悩んでいる。鉄道の復旧、スーパーマーケットの誘致、病院の建設、新しい公営住宅の募集など矢継ぎ早の復旧にもかかわらず、肝心の住民帰還が思うようにいかないのだ。富岡町は町の面積の三分の二が約2年前に解除となったが、福島第一原発の事故以前の人口は1万5千人。今でも住民票をおいている人は1万人を超えているが、富岡町役場によれば2月1日現在の居住者は864人と以前の6パーセントに過ぎない。

ここで注意が必要なことは、864人の居住者は全員が元住民ではなく、町の担当者によれば、半分は仕事のために他の地域から新たに富岡町に来た人だということだ。一部の報道では現在の人口イコール元住民の帰還者数と誤解させるような場合も見受けられる。下のグラフは年齢別の居住者数を男女別に示したもの。(富岡町発行の広報誌より作成)   

このグラフから読み取れることは、働き盛りの20~65歳の居住者が多く、しかも男が多い。これは他の地域から廃炉や除染の仕事で来た新住民だと想像出来る。70歳以上では女が多く、このあたりは元住民が帰還したものと思われる。また、0~19歳までの子供は少数でしかない。これは帰還者と新住民と両方いるようだ。

富岡町長も先日インタビューで2年近く経過してもこの帰還状況であることについて、「避難が長すぎた。多くの住民が避難先などに定着してしまった」とコメントしている。帰還した住民は高齢者が多いことを考えると、これから元住民の数は伸びないまま減り続け、逆に新住民は増加すると思われる。それで徐々にでも人口が増えていけば、他の地域から人を引き寄せることが出来そうだ。地域の復興は新住民に期待するところが大であり、各自治体は魅力ある政策で彼らを迎え入れ、定着化を図るべきではないか。

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