日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

石炭火力廃止と電力会社の対応(7)

世界的に石炭火力に逆風が吹いている。我が国では震災後に続々と石炭火力を建設したが、逆風がもっと強まった場合、大丈夫なのだろうか。各大手電力会社が石炭火力から離脱するとした場合、その困難さはどの程度か。個別に状況を確認しているが、今回は関西電力である。

関西電力の電源構成(2017年度発電実績)は下図の通りだ。

グラフは関西電力株式会社HPより引用

関西電力は電源構成から見ると、火力発電が70パーセント、内訳は天然ガス火力が42パーセント、石炭火力が26パーセントとバランスがよい。発電実績からすれば石油火力は小さな存在となっている。また、原発が水力発電と同じく10パーセントあるのが特徴だ。福島第一原発の事故後も九州電力とともにいち早く再稼働に漕ぎ着けたが、同時に出力の小さく古い原発の廃炉も決めたため、往年のように原発が主要電源とはなっていない。
関西電力の火力発電所は12ヶ所、1555万キロワットで、その内訳は次のとおりだ。
石炭   180万キロワット
天然ガス 1037万キロワット 
石油   338万キロワット(計画的に停止中を除く)

関西電力全体の発電実績から見ると、設備として5分の1を占める石油火力はほとんど運転していない。いずれも1970年代、1980年代に建設された古いもので、コスト高のため停止させており、順次廃止させるものと思われる。天然ガス火力が主になっていて、石炭火力は90万キロワット2機合計180万キロワットのみであるが稼働率は高い。今後もし石炭火力から撤退することになっても原子力が再稼働しているので比較的容易であると考えられる。ただし、2基の石炭火力はそれぞれ2004年、2010年運転開始と比較的新しいのが問題となろう。

ここ数年は発電コスト高により自由化の下での顧客獲得競争に苦しんでいたが、大型原発が再稼働したことで石炭火力とともに低コストを実現し反撃に転じている。その意味では石炭火力を止めなくてはならなくなると影響が出る恐れがある。再生可能エネルギーへの取り組みは他の電力会社に比べると遅れている。

また、水力発電設備は152ヶ所、823万キロワットで近畿地方に加え、富山県、福井県、長野県、岐阜県にまたがってある。今後の再生可能エネルギーの出力変化への対応に欠かせない揚水式は水力全体の半分488万キロワットとなっている。
次回は中国電力の石炭火力問題対応状況について。

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter