日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

抜け道

電力料金がさらに値上げされる可能性が高まっている。一般家庭や企業が支払う料金には、本来の料金以外に電源開発促進税、使用済燃料再処理等既発電費相当額、再生可能エネルギー発電促進賦課金、それに消費税などが含まれている。
電源開発促進税は原発などの立地地域に配布される電源三法交付金の原資であり、使用済燃料再処理等既発電費相当額は、過去の原子力発電の使用に伴い発生した使用済燃料の処理・処分を行うために要する費用となる。

電気料金に占める費用内訳

経済産業省ホームページより

今後、電力料金に含めて薄く広く消費者に負担をさせようとする費用項目は次のとおり数多く存在することが分かると、電力料金がどれほど高騰するか恐怖感を覚える。
・北海道大停電により注目を浴びるようになった北海道本州間の連系線のさらなる強化費用。
・首都圏の大停電を防ぐため東北や中部から首都圏に対する送電網の強化費用。50/60ヘルツ周波数転換設備の増強費用。
・再生可能エネルギーの抑制を軽減するための、九州本州間の連系線強化費用。
・老朽化した送配電設備の更新費用。
・再生可能エネルギーの拡大による賦課金のさらなる負担増加。
・増加する再生可能エネルギーの不安定な出力を補うため廃止出来ない火力発電の稼働率低下による発電コスト上昇、旧式設備の維持費用。
・上振れが続いている福島第一原発の事故処理費用。
・全国各地の原発廃炉にかかる未償却資産の償却費用や上振れする廃炉費用。
・廃炉などにより大量に発生することが見込まれる放射性廃棄物の処分費用。
・温暖化ガス排出抑制の国際公約を守るため、各社に石炭火力による発電の抑制あるいは石炭火力の廃止を命じた場合の補償費用。

電力は人々の生活や生産活動にとって血液のようなもので止めてはならず節電にも限界がある。電力料金の高騰は家計を直撃し、企業の国際競争力に大きな影響を与える。家庭や企業は高い電気料金から逃れる方策をあれこれ探すはずだが、有力な方策として自家発電と自家消費がある。既に売電目的ではなく自家消費目的の太陽光発電設備を取り付けるケースも出ている。不安定な再生可能エネルギーとはいえ、電力会社から買う量が減れば、それだけ再生可能エネルギー発電促進賦課金などもろもろの上乗せ費用を支払わずに済む。今、日本でもRE100(再生可能エネルギー100パーセント)を宣言する企業が増えている。こうした企業も高騰する電気料金から逃れることになる。
自家発電自家消費という抜け道をどうするか。難問ではあるがこれを放置すれば、負担は自家発電に投資が出来ない家庭や中小企業にますます負担がかかり、それが耐え難いほどの金額になるということだ。電気料金に上乗せしていくという安易な方法は取るべきでない。特に国策で進めた原発関係の費用負担は国が支払うようにするべきではないか。

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter