日本エネルギー会議

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石炭火力廃止と電力会社の対応(8)

世界的に石炭火力に逆風が吹いている。我が国では震災後に続々と石炭火力を建設したが、逆風がもっと強まった場合、大丈夫なのだろうか。各大手電力会社が石炭火力から離脱するとした場合、その困難さはどの程度か。個別に状況を確認しているが、今回は中国電力である。
中国電力の電源構成(2017年度発電実績)は下図の通りだ。


グラフは中国電力株式会社HPより引用

中国電力は電源構成から見ると、火力発電が80パーセントだ。内訳は天然ガス火力が19パーセント、石炭火力が56パーセントとなっているが石油火力は5パーセントに過ぎないので、石炭火力が中心と見てよい。また、原発が2基あるが稼働しておらず、3基目も建設はほぼ終わっているが運転には至っていないため発電実績はない。再生可能エネルギーは水力発電の2パーセントも加えると自社分、他社分あわせて全発電量の15パーセントになっている。
中国電力の火力発電所は関連会社分も含め、14ヶ所、926万キロワットで、その内訳は次のとおりだ。
石炭      260万キロワット
天然ガス    348万キロワット
石油      318万キロワット

中国電力全体の発電実績から見ると、設備として3分の1強を占める石油火力の運転は低く抑えられている。いずれも1970年代に運転開始した古いもので、コスト高のため停止させており、順次廃止させるものと思われる。今後もし、石炭火力の運転に批判が投げかけられても、現在発電量の半分強を石炭火力が担っており、石油火力は代替となりにくく今のままでは石炭火力からの撤退は難しい。

水力発電設備は229万キロワットあるが、5万キロワット以上のもの4ヶ所で218万キロワットとなっている。このうち揚水式水力発電所は水力全体の98パーセント、213万キロワットとなっている。水力発電以外の再生可能エネルギーは中国電力以外も含めると、発電量では13パーセントと比較的大きな割合となっている。

島根原発1号機が廃炉決定しているが、2号機が再稼働、3号機が運転開始となれば併せて210万キロワットが確保出来て石炭火力分をカバー出来る。中国地方ではこれから人口減、労働人口減が迫っており、電力需要も減少すると思われる。中国電力としては、石炭火力を止めるなら電力料金で競争力を維持するためにも、なんとしても原発の再稼働、運転開始をしたいところだ。
次回は四国電力の石炭火力問題対応状況について。

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